小石の眼から見た景色 あらかた50主婦のあったこと録

その辺に転がっている小石のあれこれ体験録です。

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「あぁ、神さま、仏さま」と祈ったクリスマス会の思い出

最近「自分話」カテゴリーの記事が多くて、何だかすみません。

色々書きたいことがあっても、結局は自分のことを書いてしまわないと、自分で納得できる説明ができないなと感じています。もう少し、自分話を書いてみようと思いますので、よろしければお付き合いください。

 

クリスマス会のプレゼントに困る

小学6年生の頃、地域の育成会のイベントだったか、クラスの行事の一環だったか憶えていないのですが、クリスマス会が開かれることになりました。

 

今となっては、クリスマス会も驚きませんが、当時の大人たちは、今私がハロウィーンを見るように

「はぁ?クリスマスぅ?よその国の祭りだろ!!」

なんて、多分思っていたかもしれません。

とにかく、当時、私たち界隈では初イベントでした。

 

当日は、プレゼント交換があるので、一人一個プレゼントを持ってくるようにお達しがありました。

 

そこそこ貧乏だった私は、ほとほと困り果てました。

お小遣いはありませんので、他の人のように近所の「Y商店」で文具を買って済ませるなんてできません。

まさか、親に相談なんてできません。多分、イベント主催者に文句を言いに行ってしまうでしょう。

自分が持っている何かなんて…ALLお下がりなのに、ひと様にプレゼントできるものなんて持っていません。

「どうしよう…どうしよう…」焦るばかりで、どんどんクリスマス会が近づいてきます。

 

クリスマス会も間近に迫った日曜日。困った私は決意しました。

こうなったら、自分で作るしかない!

 兄たちが使っていなかったペーパークラフトの本があったハズ!と押入れから引っ張り出しましたが、難易度が高いものばかり。(多分大人向け)

自分で作れるものはないかとページをめくり、小さなスクーターを発見しました。

1日で何とか作り上げ、クリップの入っていたプラスチック容器に入れ、届いたお歳暮の包装紙を調達してラッピング。

うん。プレゼントに見える!よね…?

 

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「あぁ、神さま、仏さま」と祈ったプレゼント交換

クリスマス会当日がやってきました。

皆のプレゼントは、オシャレな紙袋に入っていたり、リボンがかかっていたり、綺麗で立派そうです。

これはいかん(汗)。

 

プレゼントを持って、円に並べられた椅子に座り、音楽に合わせて右にプレゼントを移動するというプレゼント交換が始まりました。

移動していく私の小さな包み。もしあれが、おしゃれなKちゃんやS子ちゃんのところで止まってしまったら…。

「え~何これ~」「こんなのプレゼント交換に持ってくる??」「もぉ、だれ~」なんてことに、きっとなる。

どうしよう。どうしよう。

「あぁ、神さま、仏さま。どうか、せめて男子のところで止めてください!!!」

クリスマス会なのに、神さまや仏さまに祈ってしまっていたのですが、心の広いどこぞやの神さまか誰かが聞いてくださったのか、運よくHくんのところで止まりました。

「セーフ!!」

幼なじみのHくんは、「誰だよ~」なんて言わない人だし、多分大丈夫。

いや、でも開けてガッカリされるかも。

 

自分のもらった包みを開けることも忘れてHくんを見ていました。

「うわ~カッコイイ~!」

ガッカリではなく、思いがけず喜びの声。

え?ほんとに?工作下手だから、あちこちボンドはみ出てるし、本当は色を専用の塗料で塗るのに、白いままだし、ちっともすごくないのに。私が作ったのだし。

でも、良かった。助かった。神さまっているのかもしれない。

そんなことを思いながら、長く続いた悩みから解放されて、久々に楽しいひと時を過ごしたと思います。

「思います」なのは、ほっとしたまでは憶えているのですが、それ以降のことは記憶にないのです。よほどホッとしたのでしょう。

 

 

今思うと、私の持ってきたものだと、Hくんはわかっていたのかもしれません。

Hくんは、そう言えば、私をバカにすることもイジメることもなかったし、家に招いてくれたこともありました。

サンドイッチという食べ物を、Hくんの家で初めて食べたんだったっけ。

 

神さま、仏さまじゃなくて、Hくんが助けてくれたんだったな~と、今更ながら思います。

今でも私の過ごした家のそばに住んでいて、年賀状のやり取りが続いています。

相変わらず優しそうな笑顔の写真を見るたびに、あのプレゼント交換を思い出しています。

※お断りですが、私はどの宗教も信仰していません。