過去記事にも書きましたが、私の目は、先天性の内斜視です。
斜視とは
通常、視線は両眼とも同じ場所に向かってそろっています。斜視は、右眼と左眼の視線が違う場所に向かっている状態です。斜位とは、ふだんは両眼とも同じ場所を見ているのに、片眼ずつ調べると視線がずれている状態をいい、わずかな斜位はほとんど人にみられます。視線のずれの方向によって、内斜視、外斜視、上下斜視、回旋性斜視などがあります。斜視では、両眼視機能が障害され、精密な立体感覚や奥行き感が低下します。小児では視覚の発達期にあり、この時期に斜視があると、両眼視機能が育たなかったり、弱視になったりします。
(引用:斜視 | 日本弱視斜視学会 )
いじめられることも、困ることもある子ども時代でした。
見た目が悪くてごめんなさい
小中学生の頃は、ご丁寧に休み時間の度に私の席に来て「より目!より目!」と、自分の目を寄らせる男子たちがいました。
他にも色々と問題を抱えていた私は「子どもっぽいわね~」と、相手にはしませんでしたが、そこそこ傷ついてはいました。
社会人になっても、「気持ち悪い!」「こっちを見ないで!」と、面と向かって言われたこともあります。
悪気がなくても、「どこ見てるの?」と言われ、飲み会で「酔った?目が寄ってるよー(爆笑)」と言われるのも日常茶飯事。
握手のために差し出した手を振り払われ、「気持ちわるっ!」と言われた時は、流石に相当凹んで、心底 人に会いたくないと思いました。
私は、ただいるだけで、他人を不快にさせてしまう。
見た目が悪くてごめんなさい。不快にさせてごめんなさい。
目が合うものを石に変えてしまう、ギリシャ神話の怪物メドゥーサみたいだ。彼女もきっと孤独だったに違いない。
とはいえ、生きていくためには仕事にいかなければならず、閉じこもるわけにもいかず、伏し目がちで過ごすようになりました。
残念なタコ権力者
東京にいた公務員時代、出身大学のOBだとか、地元の集まりだとか、なんやかんやのめんどくさい飲み会に駆り出されることも少なくありません。
こんなんでも、一応女性なので「お酌させよう」的な発想もあったように思います。
ある時、故郷の副知事とやらが東京に来ているといって、故郷出身者が張り切って企画した宴会に駆り出されました。
まあ多分そこそこ権力者で、やり手のおっさんだったらしく、ご機嫌取った方が良かったのでしょう。興味なかったので、よくわからないですが。
仕事を終え、会場に遅れて到着すると、既に少しお酒が入り上機嫌のおっさんその人がいました。
酌をしろと、隣に座らされると、彼は私を見て
「なんだその目は!目なんか寄らせて、オレをバカにしてるのかー!(怒)」
顔も頭も真っ赤にして、口から泡を飛ばして大激怒です。
これは生まれつきのハンデなのだと説明する機会も与えられず、離れた席でウーロン茶を飲みました。
タコのおかげで
帰り道、ショックと疲れと悲しさと、それ以上の悔しさでムシャクシャして、「ヤケ酒飲んでやるーー!」と、いつものコンビニへ。
当時流行っていた「ザ・カクテルバー」の「スクリュードライバー」と「ソルティドッグ」計2本を買って寮に戻りました。(「愛だろっ、愛。」当時は小瓶でしたね。)
・・・はい。残念ながら、お酒弱いんです。
飲めないくせに飲んだもので、頭グラグラになりながら考えました。(以下酔っ払いなので不適切な表現がありますが、ご容赦ください。)
なんだ、あのタコ!だいたいタコのくせに偉そうなのよ。
他人の痛みもわからず、自分がバカにされたかどうかを気にしてビクビクしている、かわいそうなタコ!
勝手に「バカにされ」て、くだらない残念な権力者め!
権力があったらなんだってーのよ!タコは海に帰るか、タコ焼きにでもなってやがれ!
自分の努力で何とかできることは、勉強も仕事もダイエットも努力してきたのよ!
なんで私が「不快にさせてごめんなさい」なんて思わないといけないのよー!このタコー!
それまで「他人を不快にさせてごめんなさい」と思っていた私でしたが、タコのおかげで「ごめんなさい」という気持ちが吹っ飛びました。
私は、ただ見ているだけ。相手が受け取りたいように受け取ればいい。
「顔を上げて生きていってやる!」と思いました。
それから、タコがもっと偉くなったのか、海に帰ったのか知りませんが、どんな出会いにも意味はあるのだなと思っています。