2年前の3月。受験した大学の後期試験結果発表の日、長男の浪人が決定しました。
大失敗したセンター試験の結果は重く、親として、子どもの底力を信じたい気持ちがありつつ、正直、合格は難しいと覚悟していました。
勉強をしている長男に、申し訳ない気がしつつも、不合格だった場合のことを考えて、こっそり通帳とにらめっこ。
予備校っていくらかかるのか?どこにどんな予備校があるかなど、夜な夜な情報を探していました。
前期の発表の日。ネットで確認しますが、番号はありません。
後期の方が、試験科目的にも、より難易度が高いと思いつつも、「後期で頑張ってみよう!」と励ますしか言葉がありません。
そして、後期発表の日。ネットで何度確認しても、長男の番号はありませんでした。
目に涙を浮かべながら、「ごめんなさい。」と言葉を振り絞る長男。
覚悟はできていたものの、やはり現実を目の当たりにして、足元が崩れるような不安に襲われつつも、私は内心思っていました。
「失敗しても、ダメだったとしても、それでも、あなたが大切な愛する息子であることに、なんの変りもない」と伝えることができる。
発達が凸凹で、育てるのが難しく、おまけに初めての子で神経質になり、厳しく育ててしまった長男。
自己肯定感が低く、反抗期らしいこともなく、ただ心を閉ざしがちだった長男。
失敗を恐れるあまり、チャレンジが減り、目立つ失敗がないので、なかなか伝えられなかったけれど、
今、とっても残念だけど、父も母も、どんなに大切に思っているか伝えることができる。
もし、やっぱり大学に行きたいと思うのなら、合格対策チームを1年延長して、家族みんなで支えるよ。
あなたは、とっても大切な愛する息子なのだから。
父に、「浪人させてください。」とお願いし、長男はすぐに予備校に通い始めました。
大切なことを伝えることができて、良かった面もあるさと思いつつも、合格し喜びにキラキラ輝いている親子を見るのは、結構しんどかった。
職場で、患者さんが、嬉しそうに「子どもが合格して・・」と話される言葉に笑顔を返しながら、心が落ち込んでいきました。
そんなある時、中島みゆきさんのアルバムを聴いていて、「倒木の敗者復活戦」が流れました。
↓↓↓動画の 08:55~倒木の敗者復活戦(2022.2.7追記)
歌詞が胸にしみて、平然を装い抑えていた感情が溢れて、一人涙が止まらなかったけれど、
逆にさんざん泣いて、すっきりと、気持ちを切り替えることができました。
この歌が収録されている「前途」というアルバムには、中島みゆきさんの、作品への思いなどを綴った「Liner Notes」が付いています。
この中で、「倒木の」が「東北の」と聴こえると言われていることに触れられています。
あの震災を体験した方々への思いを込めた歌であるようにも聴こえます。
意図したことではなかったのでしょうが、「それはそれで、否定するまでもない」と考えていると書かれていました。
そんなところがまた、中島みゆきさんも、この歌も、やっぱり好きなのです。
ほんさき