小石の眼から見た景色 あらかた50主婦のあったこと録

その辺に転がっている小石のあれこれ体験録です。

言わないでほしいこと

中学生の頃はまだ、土曜日は半日授業が当たり前。

家にいるのが嫌いだった私は、この半ドンが嬉しくて、部活がない日も、なぜか配られる牛乳で空腹をごまかしながら、可能な限り学校に残っていた。

 

その日もぐずぐずしていたら、廊下で何やら揉め事発生。

ちょっとやんちゃな「男子vs女子」の数人の口論だったけれど、何故か通りすがりの私が巻き込まれてしまった。

女子たちはそそくさと私の後ろに回り、私は女子の先頭に立ち、あたかも女子代表のよう。

 

当時、私はどちらかと言うと「苦手な人」は女子の中にいて、「気が合う仲間」は男子の方が多かった。

言いにくいこと、でも言わなきゃならないことを、女子は大抵私に言わせて、後ろの方から「Me Too」って言うばかり。

 

口論の原因は何なのよ?と思っているところに運悪く先生登場。

「さあ!教室に入って話し合おう!」と張り切られても、私は通りすがりなんですが・・

 

口論の原因はこんなこと。

男子の一人と仲良し(彼女?)の「後輩女子」がいた。

なぜか「後輩女子」が気に入らず、女子が何かと陰口をたたいた。

「トイレで手を洗わなかった」とか何とかで、「汚い」と言った。

怒った男子が、「お前だって汚い!その腕気持ち悪いし、汚いじゃないか」と発言。

言われた女子が泣く。「ひどい!」と周りの女子が怒る。

売り言葉に買い言葉の口論勃発 ← イマココ

 

はぁ。猛烈にくだらないぞ・・と思いつつも、引っかかる。

泣いている女子の腕には、幼い頃に負ったやけどの跡が大きく残っていた。

腕のほとんどが酷いケロイドになっていたけれど、制服が半袖だったので隠せなかった。

普段は賑やか過ぎで、ちょっと仲良くなれそうもない彼女だったけれど、明るく振る舞っていたけれど、やっぱり気にしていたんだよね。

 

巻き込まれただけなのに、つい口が開く。 

 まぁ、さ、男子の意見も、言い分もわかるよ。

「後輩女子」に注意してあげたかったとしても、女子の注意の仕方が悪かったよね。

イジメる気持ちがないんなら、「汚い」じゃなくて、「手を洗ったほうがいいよ」って言えばいい。

でも、さ、男子はだからと言って、やけどの跡のことを言ってはだめ。

 

私はいつも、目が寄ってて気持ち悪いって言われるけど、生まれつきで、自分ではどうしようもなくて、

自分で頑張れば変えられるものなら、言われても「なにくそ」って思えるけど、

持って生まれたハンデとか、家が貧しいとか、親がどうとか、

頑張ってもどうしようもないことを言われると、ただただ辛くなる。

だから、私は、本人ではどうしようもない事を挙げて、バカにしたり、さげすんだりなんてこと、しないでほしい。

〇〇さんの腕のことを、汚いなんて言わないでほしい。

 

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その日は、特に帰りが遅くなったけれど、理由を説明するのも面倒で、親にこっぴどく叱られた。

全面的に味方にならなかったので、どうも反感を買ったようで、女子は何も言わずに帰っていった。

その後も、こそこそと陰口をたたかれたけれど、それはいつも通りのこと。

 

後日、今度はその時のやんちゃ男子グループから屋上に呼び出される始末。

「はぁ~もう、やってらんねー」と思いながら一人屋上に行くと、「実は・・」と、やんちゃの一人から告白されて、心底驚いた。

 

その頃、イケメンの同級生に絶賛片思い中だったので、丁重にお断りしたけれど、卒業後も2、3年は、年賀状を送ってくれた。

やんちゃな姿からは想像もつかない、可愛らしい手書きのイラストが描かれていて、恋愛感情とは違う気持ちで嬉しかった。

 

あら?今日はただの甘酸っぱい思い出話になってしまった。

 

ほんさき