亡き父は、知的好奇心旺盛の「新しもの好き」で「買い物好き」でした。
身体が思うように動かなくなり、車を手放し、外出がままならなくなってからは、それまで以上に通信販売を利用するようになっていきました。
1つ買えば、これでもかと届くカタログを、ワクワク顔で眺めている父。
おまけに「健康オタク」だったので、身体に良いとうたう商品を目にすると、試したくて仕方がなくなります。
く〇すにんにくとか、スッ〇ンなんとかとか、のこ〇りヤシとか、アガ〇クスとか・・・買ったものを挙げればきりがない。
帰省すると、新しい健康食品を手に「これは〇〇にイイんだぞ」なんて勧められるけれど、「前回帰った時に流行ってたアレはどうした?」と内心ツッコミを入れる私。
通販の「定期購入」で健康食品が溜まっていく
実家は以前から物があふれた家でしたが、年齢を重ねるにつれ、ますます物の管理がおぼつかなくなっていきました。
机の上にも、台所の引き出しにも、飲みかけの健康食品の容器。届いてソファーの上に置いた箱は、そのまま未開封なんてことも。
複数の商品に手を出し、新商品をお迎えすると、以前飲んでいた商品への興味が薄れたり、忘れたり、
病状の変化によって、飲むのを控えた方がいいと言われ、飲まないうちに忘れてしまうものもあり、余っていきます。
そして、厄介なことに、これらは大抵「定期購入」しているので、定期的に次々律儀に届き、溜まっていくのです。
「初回限定〇〇円!※ただし定期購入の方(←ココ小さい字)」「定期購入の方が月々お得」なんて言葉につられ、電話口で「じゃあ、それ(定期購入)で」と丸め込まれる。
本人(父)は、「お得な方を選ぶ、よく考えられる自分」に満足してしまっているので、定期購入が悪いとはちっとも思っていないのです。
そして、かっこつけなのか、支払いが遅れることには敏感で「急いで振込に行ってくれ」と頼まれます(お金を出すのは父)。
ほぼフルタイムで働いても、親の介護の交通費諸々と保育園代で、パート代がほぼなくなっていた私。
結構な額を振り込みながら、思っていました。
飲まない健康食品に払うお金があるなら、事あるごとに呼び出される私の交通費を払っておくれよ。(請求すると「なら来なくていい」なんて言う。)
解約の電話をしたけれど
ある時、未開封の箱を2種類見つけ、流石に説得することにしました。
説得の結果「病院で控えるよう言われた商品」と、「成分効能が似かよったものの一つ」の計2種類を解約することに。
少々耳が悪く、発語がスムーズではない父の代わりに電話をかけます。
それはそれは物腰の柔らかい、明るい優しい声の女性が対応してくださいましたが、「解約」の言葉が出たとたん・・・
「病院で言われたとのことですが、何のご病気ですか?症状は?」
えっ?それ言わないといけません?
「解約ではなく、しばらくお届けを止めることができます。」
病気でダメなんだから、もう飲まないって!
挙句の果てに、「ご本人でなければお受けできません!!」
父は電話を代わると、「いつも、どうも」と笑顔。
そして、少し話して「じゃあ、しばらく止めてもらって・・」なんて言い出すではありませんか!Σ(゚Д゚)!
コラコラコラコラ
なに優し気なオネエサンにイイカッコしてんのよーー(怒)
結局、解約ではなく「しばらくお届け休止」に。
「しばらくして、こちらから、ご様子伺いにお電話しますね~♡」と言われていたようですが、
後に帰省した時、その商品の未開封の箱を、再び目にしたことは言うまでもありません。
(さすがにわたくしブッチギレまして・・無事に解約いたしました。オホホホホ。)
親のお金は親のものではあるけれど
当たり前ですが、親のお金は親のもの。使い道は親の自由です。
成年後見人制度を利用しなければならない認知症であれば話は別ですが、親にお金を自由に使わせないのは「経済的虐待」にもなりかねません。
しかし、「認知症ではないけれど、判断能力が鈍ってくる高齢の親」と、そこに「違法ではないけれど、上手く入り込む業者」との関係は、子どもとしては非常に悩ましいものです。
オレオレ詐欺などの明らかな犯罪への警戒は、もちろん必要ですが、判断力の低下による無駄遣いをしていないか、ちょっと気をつけることも大切です。
親のお金は親のものとして、本当に親のためになることに使えるようにするために。
ほんさき
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