「あなたは感情が顔に出やすいから、気をつけなさい。」
亡き母に、子どもの頃から、大人になってからも言われていたことを思い出す。
母は、私の気持ちなんてなんにもわかってないくせに、わかったようなことを言う。
言われた時は、腹立たしくて、虚しくて、やりきれない思いをぐっとこらえていたけれど、確かに、その指摘は当たっている。くやしいけれど。
私は、結構感情が表に出る。特に苛立ちの感情が。
ただ、よほどのことでない限り、苛立たないつもりなのだ。自分では。
前の職場にいた、仕事中にネットサーフィンしているくせに「忙しぶって」残業して、定時に帰るパートにイヤミったらしい同僚にも、
PTAの役員活動中、一度まとまった話を、自分の思う結果になるまで何度も蒸し返すお局保護者にも、
苛立ちを醸し出すのは建設的ではないやり方だと思うから、むっ(怒)?としても、努めて口角(頬)を上げ、頑張って笑顔を作る。
それでも、苛立ちが漏れた一瞬後、慌てて、笑顔で明るい声で、バカ話をばらまいてごまかしたりする。
そんなことしているから、ストレスが溜まってしまうのだろう。
自分の家にいても、よほどのことでない限り、苛立たないよう思考を工夫しているつもりなのだ。自分では。
言いたいこと言うくせに、母の話には耳を貸さない、反抗期高校生二男にも、
前期試験もギリギリクリアだったくせに、のほほんと夏休みを満喫している長男にも、
いっつもテレビも電気もつけっぱなしでうたた寝するくせに、「トイレの電気つけっぱなしなの誰?」なんてぶつくさいう夫にも。(しかも、犯人は多分あなたよ。)
これは、今、ヒートアップして指摘しなきゃいけないことじゃない。
わかってほしいなら、相手が受け止めやすい言い方にしよう。
穏やかに過ごしたいなら、 そこまで細かく目くじら立てないようにしよう。
一瞬、むっ(怒)?としても、一旦考えてみるように努める。
相手はそんなことおかまいなしだったりするから、ストレスが溜まってしまうのだろう。
若い頃は特に、仕事中、闘いモードになってしまっていた(結構今も)。
可能な限り、時間も労力も効率的に使い、最大限のサービス提供に努めようと思うから、基本的にピリピリしてしまう。
いくつか前の職場にいた頃、GABAが流行っていた。
GABAの正式名称は「γ(ガンマ)- アミノ酪酸(Gamma-Amino Butyric Acid)」。
脳の中で興奮した神経を鎮める働きをする神経伝達物質。
発芽玄米、大豆などに多く含まれ、チョコレートにも含まれているということで、GABAチョコレートもある。食べやすくておいしい。
その職場の先輩N子さんは、よくGABAチョコレートをくれる人だった。
「ほんさきさ~ん。GABA食べる~?ストレス解消にいいらしいよ」って言ってくれるけれど、内心、あなたから「GABA」ですかぃ!と思っていた。
ゆるゆるしてるけど15時までに終わらせなきゃいけないソレ、間に合うの??
折り返しの電話希望あったアレ、かけたの?もう、相手外出しちゃうよ。
食べてる場合じゃなくて、お客さん待ってるから先にコレやってよ!
先輩だし、社員だし、私パートだし、言うに言えなくて苛立っていて、その苛立ちが通じなくてイライラした。
醸し出したって、通じやしない。ストレスの源から「GABA」もらう更なるストレス。
こんな愚痴めいたことを思い出したのは、昨日夫が
「なんかイライラしてる?ホルモンバランスのせい?イライラする日?チョコ食べる?」なんて言うからだ。
イライラが漏れるのには源があるのだよ。チョコもらったら更なるストレス。
あぁ、そうそう。醸し出したって通じやしないんだった。
※ちなみに、 胃や腸から吸収されたGABAは脳内に入れないため、ストレス軽減効果はないと言われています。
シリーズ2 第13回 | フクロウ博士の森の教室「からだを復元させる医療の話」 | 中高生と“いのちの不思議”を考える─生命科学DOKIDOKI研究室
【公益財団法人 テルモ生命科学振興財団】
でも、美味しいから、ストレス軽減されるかもですね。
ほんさき