二男から「おススメ」だと渡されたのだけど、ちょっと放置していた。
『また、同じ夢を見ていた』著:住野よる
正直に言うと、この作者の『君の膵臓をたべたい』は、あまり心に響かなかったのだ。
映画化されたし(主題歌はMr.Children♡)、話題の本だったし、読んではみたものの
「涙が止まらない!」なんて文庫本の帯に書いてあったから、あまのじゃくの私は泣けなかったのかもしれない。
「キラキラした高校生なら、感動もするのかもね」なんて、擦れたオバちゃんぶっていた。
机に積んでいたら「ねぇ、読んだ?K(友達)が、面白かったって言ってたんだよ!」と二男が言うので、手に取ってみた。
そして、夜遅くまでかけて、久々に一気読みしてしまった。
小学生の小柳奈ノ花(なのか)には、放課後一緒に過ごす女友達がいる。
アパートの表札どおりに呼んでいる「アバズレさん」、
素敵な木の家に住む「おばあちゃん」、
アバズレさんとの出会いのきっかけとなった、しっぽが半分のニャンコの「彼女」、
物語の途中、廃墟の屋上で出会った「南さん」。
「ピーナッツ」のチャーリーブラウンが好きな主人公の口癖は、「人生とは〇〇のようなもの」
本が好きで、かしこくて、どこか大人びて、正義感が強い。
本や絵が好きな人のことを好ましく思い、自分も、いつか物語を書く人になってみたいなと思っている。
学校はくだらなくて、クラスには「クラスの子」はいるけど友達ではなくて、馬鹿な男子と会うと心は灰色になる。
国語の時間に「幸せってなにか」を考えて発表することになり、「友達」に相談しながら答えを探していく。
主人公の言動が、「普通の子」から見ると色々と「痛い」ところが、自分の子ども時代と重なって結構しんどくなった。
「クラスの子」には好かれていないことを感じ取っている辺り、自分も「クラスの子」を好きではない辺り。
自分は強くて賢くて正しいハズなのに、相手が弱くてバカで間違っているハズなのに
どうして自分が責められているのかわからなくなって、人も自分も傷つける。
読んでいて「あぁやっちゃったな~自分」という気持ちにすらなる。
それから、担任の「ひとみ先生」は結構素敵だ。自分の小学生時代の担任のT先生を思い出した。
主人公は大事な「友達」との交流の中で、色んな幸せに出会う。
自分が存在しても良いと認めてもらえる幸せ。
誰かのことを想い、真剣に考える幸せ。
今、私は幸せだったと言える幸せ。
主人公の大事な「友達」は、素敵な言葉を教えてくれる。
相手の気持ちを分かることはできないけれど、考えることはできる。
幸せになるためだけに、皆が選ぶ。
皆違う、でも皆同じ。
そして、主人公の大事な「友達」は、口癖を真似する。
人生とは自分で書いた物語。
人生とはプリンと一緒。
人生とは・・・。
私にもあったかもしれない。
「謝れなくて失ったり、自暴自棄になったり、ひとりぼっちで自分を傷つけたり。
そんな人生もあったかもしれない。」
導いてくれる出会いは誰にでも訪れるし、訪れているのかもしれない。
少なくとも私は、今まで出会いに恵まれて、今でも恵まれ続けている幸運の持ち主のようだ。
既に「希望に輝いている」とは言い難いアラフィフはどうしたもんかとも思ったけれど、読後感は良かった。
高校時代に読みたかったかな~とも思ったけれど。
私が読み終わったら、二男も読んでみると言っていた。
幼い頃から、結構キラキラと過ごしているように見える二男には、どんな風に響くのだろう。
そして、そんな二男と仲良しの「 K(友達)君」は、どこら辺が面白かったと思ったのか「ちょっとお話してみたいわ」なんて思っている。
間違いなく二男に叱られるから実現不可能だけど。
ほんさき
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