小石の眼から見た景色 あらかた50主婦のあったこと録

その辺に転がっている小石のあれこれ体験録です。

中身は急には変われない~大学生になった長男と、母になった時の自分のこと

1人暮らし中の大学生の長男が、久しぶりに帰ってきた。

発達凸凹でグレーゾーンの長男は変化が苦手。それにしても、ビックリするくらい、変わっていない

家族も世間も「『夏休み』終わった感」の今ごろ帰ってきて、ちょっと邪険にされるあたりの「間の悪さ」も相変わらず。

だから「8月中に帰っておいで」と言ったのにさ。

 

学生生活の様子を聞いても、他人とは最低限の付き合いのようだし、真面目に勉強するけど積極的でもないし、

特別痩せてもないし、オシャレかどうかは別として、散髪もしているようだし、服装は・・・うん、まあ、部屋着ではないようだし(;'∀')、要は「相変わらず」。

 

最近キラキラが増している二男をイメージしつつ、思わず聞きたくなる。

「ねぇ、彼女とかいないの?」 「いるわけないでしょ。」

「休みの日は何してるの?」「うーん。別に…勉強」←うそつけ!

「ねぇ、話する人いるの?友達と遊びに行ったりしないの?1日誰とも口きかないとかあるの?店員さんと話すのは『口きく』にはカウントしないよ。・・・」

「話くらいするよ(;'∀')。ひとをなんだと思ってるんだよ~。」

「結構コミュ障だと思ってるよ。」「わ!ひどっ!そうだけど(-_-;)」 

やっぱり、やっぱり「相変わらず」だ。

そして、こんなことを思わず質問してしまう私も、やっぱり「相変わらず」だ。

 

大学生になったからといって、中身は長男なのだ。

大学生になったからといって、急にサークル仲間とワイワイつるんだり、クラスメイトとワチャワチャしたり、

急にオシャレが好きになったり、積極性がぽんっと生まれる訳じゃないのだ。

 

 

長男が小学生の頃、知らず知らず長男を追いつめていたことに気付いて、自分の愚かさに愕然としたことがあった。

チームプレーがどうにも苦手で、楽しそうでもなくて、「野球を続けるか辞めるか」を長男と話していた小5の時、長男はいきなり壁に頭をぶつけ始めた。

「自分はダメな人間だ」と言って。

私は意識せずにいたけれど、そう長男に言っていたも同然なのだ。長男がそう受け取っていたのだから。

 

「1年生になったら、友達100人できるかな?」という、進学を控えた園児定番のワクワクする歌がある。

歌のように、小学生になったら友達をたくさん作って、男の子だから外で元気に遊んで、ケンカしながらも心許せる仲間ができて・・・。

中身は急には変われないのに、それが「小学生男児」の正しい姿で、そうでないことは「改善すべきこと」そんな意識が私にはあったのだと、改めて気付いた。

怖いことが嫌いで、〇〇レンジャーや〇〇ライダー系は全くダメ。

ドラえもんのジャイアンすら嫌で、好きなアニメは「魔女の宅急便」。

外でのんびりは好きだけど、大騒ぎするのは好きじゃない。

一人でじっくり遊びたいし、レゴブロックや本や漫画が好き。

そんな小学生男児がいたって、ちっとも構わないハズなのに。

 

あの時、長男を抱きしめながら、良い母ぶっている自分の持つ、根深いところの愚かさに愕然とした。 

「ありのままの彼を受け止める」なんて言いながら、ちっとも受け止められていないじゃないか。

 「〇〇はこういうもの」という概念に捕らわれて、目の前の彼を何も見ていないじゃないか。

 

私は、いっつもこんな調子のダメダメ母なのだ。

長男を身ごもり、「母になる」という自覚が芽生えた時、私はせっせと赤ちゃんの肌着を作り始めた。 

ちなみに、私にとって裁縫は、苦手の中でも特に大の苦手分野

長男が生まれるまでに、できあがったのは1枚だけ。

母親になったからって、中身は「裁縫が苦手な私」なのだから、あったりまえなのだ。

 

でも、当時の私は、赤ちゃんに音楽が良いらしい、手作りの木綿の服が良いらしいと耳にしては、音譜すら読めずピアノを弾けない自分を責め、裁縫が苦手な自分をひたすら責めた。

周りの母性溢れるママたちを見ては、車の運転もできず、なんにもできない自分を「母親失格」だとひたすら責めた。

 

できることなら、あの時の自分に、笑い飛ばしながら言ってやりたい。

お母さんになったからって、中身は急には変われないよ。

ピアノが弾けなくたって歌は歌えるし、 歌なんて楽しけりゃ何でもいいじゃない。

布おむつじゃなくたって、手作りグッズじゃなくたって、今はいい商品が山ほどある。

お母さんが「中身のまんま」でも、ニコニコできればそれでいいよ と。

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変わっていないようでいて、長男は、家事の動きはだいぶ良くなっていた。

少し前の、家事練習中の頃の夫より、はるかに役に立つ。

アパートに帰ってしまうと、助手不在で私が困ってしまう。

 

「結構コミュ障なのは事実だけどさ、 大学生になったからって皆がパリピになるわけじゃないし、ならなくっていいよね。

コミュ障だっていう自分を知ったうえで、それを言い訳にせずに、対策すればいいんだよ。

きっと少数派だけどさ、ちょっとコミュ障な人の隣の方が、ホッとするって人もいると思うよ。」

「うーん。それ褒めてんの?ディスってるの?」

「えへへ。どっちも~( ̄∇ ̄;)」

  

中身は急には変われない。

そして、無理して急いで変わらなくていい。

 

ほんさき

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