1人暮らし中の大学生の長男が、久しぶりに帰ってきた。
発達凸凹でグレーゾーンの長男は変化が苦手。それにしても、ビックリするくらい、変わっていない。
家族も世間も「『夏休み』終わった感」の今ごろ帰ってきて、ちょっと邪険にされるあたりの「間の悪さ」も相変わらず。
だから「8月中に帰っておいで」と言ったのにさ。
学生生活の様子を聞いても、他人とは最低限の付き合いのようだし、真面目に勉強するけど積極的でもないし、
特別痩せてもないし、オシャレかどうかは別として、散髪もしているようだし、服装は・・・うん、まあ、部屋着ではないようだし(;'∀')、要は「相変わらず」。
最近キラキラが増している二男をイメージしつつ、思わず聞きたくなる。
「ねぇ、彼女とかいないの?」 「いるわけないでしょ。」
「休みの日は何してるの?」「うーん。別に…勉強」←うそつけ!
「ねぇ、話する人いるの?友達と遊びに行ったりしないの?1日誰とも口きかないとかあるの?店員さんと話すのは『口きく』にはカウントしないよ。・・・」
「話くらいするよ(;'∀')。ひとをなんだと思ってるんだよ~。」
「結構コミュ障だと思ってるよ。」「わ!ひどっ!そうだけど(-_-;)」
やっぱり、やっぱり「相変わらず」だ。
そして、こんなことを思わず質問してしまう私も、やっぱり「相変わらず」だ。
大学生になったからといって、中身は長男なのだ。
大学生になったからといって、急にサークル仲間とワイワイつるんだり、クラスメイトとワチャワチャしたり、
急にオシャレが好きになったり、積極性がぽんっと生まれる訳じゃないのだ。
長男が小学生の頃、知らず知らず長男を追いつめていたことに気付いて、自分の愚かさに愕然としたことがあった。
チームプレーがどうにも苦手で、楽しそうでもなくて、「野球を続けるか辞めるか」を長男と話していた小5の時、長男はいきなり壁に頭をぶつけ始めた。
「自分はダメな人間だ」と言って。
私は意識せずにいたけれど、そう長男に言っていたも同然なのだ。長男がそう受け取っていたのだから。
「1年生になったら、友達100人できるかな?」という、進学を控えた園児定番のワクワクする歌がある。
歌のように、小学生になったら友達をたくさん作って、男の子だから外で元気に遊んで、ケンカしながらも心許せる仲間ができて・・・。
中身は急には変われないのに、それが「小学生男児」の正しい姿で、そうでないことは「改善すべきこと」そんな意識が私にはあったのだと、改めて気付いた。
怖いことが嫌いで、〇〇レンジャーや〇〇ライダー系は全くダメ。
ドラえもんのジャイアンすら嫌で、好きなアニメは「魔女の宅急便」。
外でのんびりは好きだけど、大騒ぎするのは好きじゃない。
一人でじっくり遊びたいし、レゴブロックや本や漫画が好き。
そんな小学生男児がいたって、ちっとも構わないハズなのに。
あの時、長男を抱きしめながら、良い母ぶっている自分の持つ、根深いところの愚かさに愕然とした。
「ありのままの彼を受け止める」なんて言いながら、ちっとも受け止められていないじゃないか。
「〇〇はこういうもの」という概念に捕らわれて、目の前の彼を何も見ていないじゃないか。
私は、いっつもこんな調子のダメダメ母なのだ。
長男を身ごもり、「母になる」という自覚が芽生えた時、私はせっせと赤ちゃんの肌着を作り始めた。
ちなみに、私にとって裁縫は、苦手の中でも特に大の苦手分野。
長男が生まれるまでに、できあがったのは1枚だけ。
母親になったからって、中身は「裁縫が苦手な私」なのだから、あったりまえなのだ。
でも、当時の私は、赤ちゃんに音楽が良いらしい、手作りの木綿の服が良いらしいと耳にしては、音譜すら読めずピアノを弾けない自分を責め、裁縫が苦手な自分をひたすら責めた。
周りの母性溢れるママたちを見ては、車の運転もできず、なんにもできない自分を「母親失格」だとひたすら責めた。
できることなら、あの時の自分に、笑い飛ばしながら言ってやりたい。
お母さんになったからって、中身は急には変われないよ。
ピアノが弾けなくたって歌は歌えるし、 歌なんて楽しけりゃ何でもいいじゃない。
布おむつじゃなくたって、手作りグッズじゃなくたって、今はいい商品が山ほどある。
お母さんが「中身のまんま」でも、ニコニコできればそれでいいよ と。
変わっていないようでいて、長男は、家事の動きはだいぶ良くなっていた。
少し前の、家事練習中の頃の夫より、はるかに役に立つ。
アパートに帰ってしまうと、助手不在で私が困ってしまう。
「結構コミュ障なのは事実だけどさ、 大学生になったからって皆がパリピになるわけじゃないし、ならなくっていいよね。
コミュ障だっていう自分を知ったうえで、それを言い訳にせずに、対策すればいいんだよ。
きっと少数派だけどさ、ちょっとコミュ障な人の隣の方が、ホッとするって人もいると思うよ。」
「うーん。それ褒めてんの?ディスってるの?」
「えへへ。どっちも~( ̄∇ ̄;)」
中身は急には変われない。
そして、無理して急いで変わらなくていい。
ほんさき
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