「ありがとうございます」と伝えるように心がけている。
病院の職員として患者さんへ。
住宅地の小さなクリニック。患者さんの大部分はご高齢なので、どうしても大声になる。だからタイトルは「『ありがとう』を叫ぶ(?)」
普通のサービス業なら「ご利用ありがとうございます」「またご利用ください」なんて言えるのだろうけれど、
体調不良だから利用する病院に「また来てくださいね」などと言われるのは抵抗があるのじゃないか?と思うと言葉が思いつかない。
笑顔で「お大事に」とお伝えして、「病院が暇である方が、みなさんにとっては幸せなのよね~」などと思う。
それでも、なにか探して「ありがとうございます」を伝えようと模索している。
保険証を見せてくださって「ありがとうございます」
おつりが楽になるように、小銭を出してくださって「ありがとうございます」
誰だって、言うだけでなく言われたい言葉だと思うから。
いくつかの病院や介護施設で仕事をしてきたけれど、ほとんどの患者さんが、いつも「ありがとう」と言ってくださった。
介助の必要性が高い人ほど、いつもいつも「ありがとう」と言う立場になる。
仕事する側は、当然のことをして、その上感謝されると嬉しい。もっともっと親切にしたいと思う。
それでも、ふと思った。
親切にされたら嬉しいけれど、いつもいつも「ありがとう」と言うだけだったら、自分なら、ちょっと辛い気持ちになるかもしれない。
私は、車の運転ができない。
不便ではあるけれど、不思議といつも親切な人に囲まれて、「困ってない?」と声をかけてもらえ、いつも助けられている。
親切にしてもらえるともちろん嬉しいし「ありがとう」と心から思っている。
それでも、 いつもいつも心から感謝しているけれど、ちょっと辛い気持ちになる時がある。
「ううん。今回は大丈夫。いつも心配して声かけてくれて、ありがとう。」
「乗せて行こうか?」ってLINEにそう返信して、フーフー歩いている日もある。
「借りを作りたくない」とかそんなんじゃなくて、
役立たずで、人に迷惑ばかりかけてしまう自分に勝手にダメ出しして、勝手に凹んでしまうのだ。
親切にしてくれる人には何の非もなくて、勝手に凹んでいることにすら落ち込む。
運転以外で役に立てることはないだろうか?と、仕事でも、PTAでも、スポ少の保護者会でも、運転以外なら人の嫌がることも進んで頑張ってきたつもり。
それでも、大事なことができなくて、申し訳なくて、ちょっとしんどい日もある。
病院の受付で「ありがとうございます」と言うと、患者さんは大抵ビックリされる。
そして、無表情だった患者さんの顔に、ちょっと笑顔が浮かんだりする。
感謝できることも嬉しいけれど、感謝される自分でありたいという気持ちも、誰もが持っているんじゃないかなと思う。
中には困ってしまう患者さんもいるし、ストレスが溜まってブログに愚痴を並べる日もある。
患者さんたちには、できるだけ病院に来なくて済むように、お会いしなくていいように、お元気でいていただきたい。
それでも、お会いした時は、仕事として当たり前のことをして「ありがとう」と言っていただけるから、
「その『ありがとう』に『ありがとうございます』を伝えたい」と思っている。
ほんさき
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