小石の眼から見た景色 あらかた50主婦のあったこと録

その辺に転がっている小石のあれこれ体験録です。

「そんなことまで?」と思っても具体的に伝える~発達凸凹に「自然と身に付く」を期待しない

とある民話の一場面。
たわわに実った柿を前に、出かける親から少年は「見ていなさい」と見張りを言いつけられる。

親が戻ると柿は見事になくなっている。
「見ていなかったのか!!」と怒る親に少年は、ケロリとした顔で答える。

「カラスが沢山やってきて、柿を食べちゃった。
オラはちゃんと見ていたよ!」 

「自然と身に付く」を期待しない  

柿を食べられる様子を「見ていた」少年に、誰もが思うハズ
「違う、そうじゃない。」

でも、こんな風なことが、しばしば起こっていた。
発達凸凹の長男には。

例えば、保育園児の頃、移動中。
とある高速道路のSAで「トイレに行ってきなさい」と言ったハズ。

それは、つい先ほどのことだったハズなのに「おしっこしたい」と言い出す。
なぜだ?

「さっき行ったでしょう!?」と言うと
トイレには行ったけど、おしっこしてない」

・・・なぜだぁーー(怒)!!

まだ出る気がしないのに「行ってきなさい」と言われたので、行きはしたけれど、
やっぱりおしっこしたい気がしないので、そのまま帰ってきたのだ!

あぁ・・「まだ大丈夫でも、おしっこしておいで」
とまで言わなければならなかったのだ。

冒頭の民話の場合、親は「盗まれないように」という見張りの目的と、
「カラスが来たら追い払え」まで、ちゃんと言っておいたほうがよかったのだ。

多分、その少年には。

 

発達凸凹長男には「自然と身に付く」ことが期待できない部分があった。
凹んでいる部分だ。

本人が興味を持つこと(凸の部分)に関しては、
セーブしたいくらい身に付くのだけれど、

周りの人にあまり興味なく、皆に合わせることに重要性を感じていないためか、
社会性については自然には身に付かない。 

「そのうち、みんなと合わせてできるようになるでしょ?」

「相手が言いたいこと、大体わかるでしょ?」は期待できないのだ。  

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身に付けてほしい時に具体的に伝えるほうがいいと思う 

自然に身に付かず、抽象的な表現が伝わりにくいなら
「伝えたいこと」「伝えたい時」「具体的に伝える」方が 断然イイ

保育園時代は、私の長男に対する指示があまりに細かいので、義母始め、周りのママさん達にも
「そんなことまで(言うの?)」と(若干非難を込めて)言われることもあった。

でも、人によるのだ。
「自然と身に付く」タイプなら見守っていればいいかもしれないけれど。

そして、成長してしまってからではなかなか言えない。
思春期を迎えれば、それなりに親の言う事など聞かなくなる。

 

「自分で考えない子になるよ」と言われても、
放っておいたら「自分では永遠に考えない」可能性がある。

できずに叱られたり、マナーが身に付かず後々白い目で見られたりして、
一番困るのは長男本人だと私は思っていた。

 

「マニュアル人間になる」という批判もあるかもしれない。

でも、まずは例を知り、それを身に付け、
応用は苦手なので少し違うことであれば、いちいち伝えるようにしていけば、

やがて、辞書のページ数が増えるように、経験値が上がり、
対応力を身に付けていくことができると思うのだ。

自然に身に付くことが期待できないタイプなら、
この方法でカバーするのも一つの方法だと思うのだ。

 

そして、実は私も、特に対人関係については、この事例積み上げ方式で対応する傾向がある。

ママ友の「いいね~」「かわい~♡」の本心なんて、
ちっとも読めなかったからね。

「あたりまえだけど、とても大切なこと」子どものためのルールブック 

「あたりまえだけど、とても大切なこと」は、長男が年長さんの頃、たまたま生協のカタログでみかけて購入した本。

面白くて、子ども向けバージョンも購入した。

念のため書いておくけれど、これで長男が劇的に変わったわけではない

今ではきっと本人は覚えていないだろうし、結構古い本だし、
アメリカの話なので日本にそのまま導入できるものでもない。

ただ、ルールが細かく具体的で
「こんな風に伝えていくといいのかもしれない」と思ったのは確か。

 

筆者は、アメリカの小学校教師(元)。

学習や行動に問題を抱える生徒の多いハーレム地域の学校で、
受け持ちの生徒に教えるルールをまとめた本。

ルールの由来や身に付くまでの頑張り、変わっていく子どもの様子などのエピソードがまとめられている。

このルール(全部で50個)が、ユニークで結構具体的なのだ。
例えば、このルール

ルール3

クラスのだれかが試合で勝ったときや、何かすばらしいことをしたときには、拍手をして祝福しよう。

拍手は少なくとも三秒間つづけること。

そのとき、十分に大きな音が出るように、両方の手のひら全体がぴたりと合わさるように叩くこと。

(こんなことまで書くなんてばかじゃないのか、と思われるのはわかっている。でも、子どもはそういう指示をとても喜ぶ)。

(引用:あたりまえだけど、とても大切なこと 子どものためのル-ルブック )

「相手を尊重する」とか、「相手のいいところを認める」とか、
「気持ちを表せ」と言われても難しいけれど、

「三秒間ちゃんと拍手する」(たとえ悔しくても)ならできるかも。 

※子ども向けに、簡単に書かれているものもあります。↓

 

試行錯誤しながら子どもたちと向き合う、クラーク先生の奮闘を読み進むと、
最後の50番目のルールに胸が熱くなる。 

ルール50

きみのなれる、もっともすばらしい人間になれ

人生を楽しみ、
自分にほこりを持てる人間になろう。

他人に救いの手をさしのべる人、
まちがいから学べる人になろう。

(引用:みんなのためのル-ルブック あたりまえだけど、とても大切なこと)

 これは、大人になった自分自身が守れているのか、親も考えさせられた。

それは、アラフィフになった今でも。

★★★ おことわり ★★★

発達凸凹・グレーゾーンの特性やその程度は、非常に個人差があります。ここで書いていることは、あくまでも私の息子の事例にすぎないという点を、ご理解くださいますようお願いいたします。 

★★★  ★★★  ★★★ 

ほんさき 

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