小石の眼から見た景色 あらかた50主婦のあったこと録

その辺に転がっている小石のあれこれ体験録です。

「祭りのあと」にも連絡を~親が高齢なら「お正月後」にも気を配ろう

住宅街の小さなクリニックも、 仕事始めはキリリとした新春の雰囲気が漂います。
今週は、患者さんと「明けましておめでとうございます。」の言葉を交わしながら、鈍った頭を必死に回転させる日々です。

昨日も「明けましておめでとうございます。」と元気にご挨拶しながらカルテを見ると、3日前にも来院されていた方でした。あぁ失礼しました~(;'∀')

高齢の親の「お正月後」にも気を配ろう

3日前にも来院されていた70代後半のその女性。今日も「まだ目まいがして気分が悪い」ので、点滴を受け、しばらくお休みになって帰られました。
高齢化率の高いこの地域では、毎年この時期、このような「お正月疲れ」の患者さんが多いのです。

「子どもたちが、孫を連れて帰ってきてくれた。」
多くの方が、楽しくお正月を過ごされた様子を、窓口で嬉しそうに話してくださいます。
そう言えば、みなさん年末は「あれを食べさせる。これを持たせる。」と張り切っていらっしゃいました。
でも、年々、年明けに体調を崩される方が増えているように感じます。 

故郷が遠方であればあるほど、帰省する子ども側も大変です。混雑、渋滞、お金もかかるし、戻ったらすぐ仕事。
でも、年を重ねれば重ねるほど、受け入れる側も大変になっていきます。

買っておく食材は大量。しかもお正月準備も兼ねています。
寝具は引っ張り出してお天気の日に干しておかないと。
大掃除に加えて、シーツもタオルも確認して、暖房器具もチェックして、あの部屋にもヒーターが要るし・・・。

そして準備と同じくらい大変な後片付け
余った食材(普段食べないようなものも多い)の残る冷蔵庫整理。
普段より格段に多いシーツやタオルやらを洗濯し、片付けないと。
引っ張り出した寝具も干さないと。でもお天気がなかなか…。 

しかも、乱れた生活リズムを元のペースに戻すのに必要な時間は、高齢になるほど長くなるようです。
嬉しくて、お世話が忙しくて、毎日のお薬を飲み忘れて具合が悪くなる方もいらっしゃいます。

「年寄りは好きな時間に休めるし、年中日曜日だから、大丈夫よ。」なんて言いつつ、1か月経っても疲れている人も沢山。
そうこうしているうちに、風邪やインフルエンザに罹ってしまうなんてことも。
高齢者が疲れから回復するのに要する時間は、若者とは全く違います。 

「祭りのあと」にも連絡を

帰省前は、打ち合わせもあり、親と色々と連絡を取り合いますよね。
準備の負担を減らすため、買出しや掃除を手伝ったり、布団の準備を手伝ったりできます。
気になっていた体調の事も、お正月に話ができるでしょう。 

けれど、お正月の帰省の一大イベントが終わると、離れて暮らす子どもはちょっとホッとしがち。
「ちょっと老けたけど、まだ大丈夫そうだし、顔も見たし」なんて安心して、「しばらく連絡取らなくてもいいかな~」なんて思いがち。
けれど、実はお正月という「祭りのあと」にも連絡をいれてみたほうがいいと私は思うのです。

クタクタになっているかもしれないし、体調を崩しているかもしれない。
「どうも、以前より、いつまでもくたびれているな~」と感じたら、次の帰省から帰り方を考えた方がいい年齢に、親もさしかかっているのかもしれません。

そうそう、親と同居していたり、近くで見てくれている家族がいたら、受入れの準備や片付け、疲れた親のお世話といった負担を背負ってくれています。
連絡をして最大級の感謝を!そして、今後これ以上の負担をかけない配慮をしなきゃですね。

帰省の形を変える提案は子どもの側から

偉そうに書いていますが、長男が幼い頃、孫の顔を見せに帰省(お正月以外)していた私も、姉に指摘されるまで配慮が足りず、母をくたびれさせていたのでした。

連絡すると、父は喜んで「おいでおいで」だし「何泊でも!」と言うのですが、今だからわかりますが、男親は大抵「わかっちゃいない」のです。準備や片付けのしんどさを。

姉に言われて気付かせてもらった私の帰省は、夫の協力もあり、両親が他界するまで、
・実家にできるだけ近いホテルに泊まり、1回数時間ずつを複数回、実家に顔を出す。
・一緒に食事をする場合は、あまり遠くないところでゆっくり外食する。1帰省に1回程度。
・私(娘)だけで滞在する時間を作り、掃除などを手伝う。
というスタイルになったのでした。

 

受入れがきつくなってきたのなら、親側から「帰ってくるな」と言ってくれればいいのに。子ども側も楽なのに。
という意見もあるでしょう。
けれど、やっぱり帰省の形を変える提案は、子どもの側から行う方がいいな~と私は思います。

高齢の夫婦の場合、妻側がキツイと断っても「今まで通りに来客を受け入れられない妻を許せない。でも手伝わない。」なんて夫も少なくありません。
娘ならまだしも、息子には受け入れ側の母の大変さは伝わらない、なんてことも多々あります。
親側には、言い方によっては「子どものパートナーになんて受け取られるか不安」という気持ちもあります。
加えて、親側からは具体的な代替案は出しにくいと思うのです。
そして、何よりも、きついけど会いたいし、会うと嬉しいから無理して頑張ってしまう。

 

帰省が終わって一息ついた皆さま。
今日あたり、是非ちょこっと電話などかけてみてください。
そして、頑張って受け入れた側の皆さま。
早く生活リズムを戻しつつ、ゆっくり休んで、風邪など気をつけてくださいね。

 

ほんさき

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