小石の眼から見た景色 あらかた50主婦のあったこと録

その辺に転がっている小石のあれこれ体験録です。

拳を開いて手を洗う~小さなクリニックの受付で「医療従事者等」への偏見を実感する

新型コロナ陽性患者さんの対応に奮闘されている、医療従事者等の方々をテレビで拝見しながら、
日々感謝の気持ちと、本当に頭の下がる思いでいます。

クリニックを訪れる「困った人たち」

勤務している地方の小さなクリニックは、「新型コロナ」不安からの受診不安が高まっているためか、
受診される患者さんが、比較的少ない状態が続いています。

この地域では、幸い未だ感染者は確認されていませんが、近隣の市では複数名確認されており、いつ、誰が感染していてもおかしくない状況。
待合室が混んでしまうと、「3密」になるので、正直助かっているところです。  

さて、「困った人たち」は、いつでもどこでも何名かはいらっしゃるものですが、
最近のクリニックでの「困った人たち」は、こんな感じの方々。

・熱が続いているのに、連絡なく来院される。
県設置の「電話相談窓口」にお電話。若しくは事前にお電話で相談してください<(_ _)>

濃厚接触もなく、3密の覚えもなく、持病も症状もないけれど「何だか不安だから診てください」と来院される。
むしろお家にいてください<(_ _)>

・「マスクを売れ!」と大きな声を出される。
小さなクリニックには、なかなか納品されないのです<(_ _)>

・「マスクは鼻まで覆ってください」など「正しい付け方」をお願いすると、「息苦しいでしょ!」などと怒られる。
それでも、きちんと付けてください<(_ _)>

県が設置している「電話相談窓口」の電話がつながらない!と、クリニックにお怒りの電話をされる。
私たちに、一体どうしろと?(・・?

特に、熱を始め、風邪症状が続いているのに、事前のご相談なく来院されると、万一を考え対応にジタバタするうえ、
やはり、自分自身の感染の不安も、少なからず頭をよぎります。

全国的に不安感が高まっている中、イライラをぶつけたくなる気持ちはわからなくもないのですが、
不機嫌な方も多く、日々少しずつ、こちらも気持ちが疲弊してきています。 

医療従事者等への偏見を実感する

定期的に通院されているマダムAさんと、クリニックの職員は、
受付時もお会計の時も、ちょっとした日常会話を交わすような、比較的良好な関係でした。

そんなAさんが、先日来院された時のこと。

待合室は誰もいない状況。
それでも、Aさん、診察券をカウンターに投げるように出しながら、
「診察受けなきゃいけないの??処方箋だけちょうだいよ!早くして!」

とげとげしい口調。職員に向ける眼差も、いつもと明らかに違う様子。
戸惑いながらも、もちろん急いで対応し、診察も済み、お会計でお呼びしました。

Aさんは、またも投げるようにお金をトレイに放り出し、
お渡しした診察券と処方箋を、それはそれは不潔なものを触るように指でつまみ、無言で大急ぎで、逃げるように帰られました。
出口の手指消毒剤を何度もプシュプシュして。

Aさんには、私たち職員は、ウイルスバイ菌にでも見えたのかしら?なんて気持ちになるほど。
こんな風に↓↓↓ 

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レベルは全然違うけれど、
新型コロナ陽性患者さんの対応に奮闘されている、医療従事者等やそのご家族が、偏見や差別に悩まされているという
先日のニュースを思い出していました。

私の比ではない、高い感染リスクの緊張感にさらされ、
世間からは、私が感じた比ではない、偏見にさらされているのです。

news.yahoo.co.jp 

偏見には慣れているつもりでも

 こんな時ですから、「病院」という場所が危険極まりなく感じるのも、不安になるのもわかります。

わかりますけれど、寂しい気持ちになったのも確か。
寂しいというか、虚しいというか、「私たちなんなんだろう?」という気持ち。

偏見には、結構慣れているつもりだったのです。慣れるというのも変ですが。 

www.honsaki.com

でも、自分の見た目の問題で、怪訝な顔をされるのとは、また少し違う気持ち。 

毎日、いつも以上に頻繁にあちこち消毒して、
その消毒液もなかなか手に入らなくて、ハラハラしながら、皆で工夫して頑張っている。

お一人対応する毎にせっせと手を洗い、ハンドクリーム塗って、また手を洗って・・
気をつけていても、手がボロボロになりそう。

マスクは、医療機関用通販で注文すらできない日々が続くのに、
どうかしてるくらい高いマスクが「転売品ではありません」とネットで売られている。

「困った人たち」に疲弊しながら、感染リスクにドキドキしながら、
汚らわしいもの扱いされる私たちって、何やってんだろう。

子どもが休校中でなかったら、「親が病院に勤務している」と言って、いじめられたりするのだろうか。

確かに病院はリスクが高いけれど、今は誰だって感染しているかもしれないのに。

なんだか、妙に悔しくて、カウンターの下で思わず拳を握る。
何故だか、涙が出そうになる。 

拳を開いて手を洗い、マスクの下で笑顔を絶やさず

けれど、次の患者さんが来られたから、拳を開いて手を洗わなくては。

登場されたのは、ちょっとお久しぶりのマダムKさん。
「コロナが怖くて我慢してたのだけど、お薬がなくなって・・」と不安そう。

けれど、お会計の時、こう言ってくださいました。

「皆さんのお顔見たら、何だか安心したわ~。
働いている皆さんの方が、ずっと不安でしょうに、
病院開けてくれて、ありがとう。」 

こんな風に言ってもらえるから、大丈夫。

見えないけれど、マスクの下で笑顔を絶やさず、「ありがとう」をお返ししながら頑張れそうです。 

 

何も、特別扱いしろとか、感謝しろと言っているのではありません。

今、私たちは、「病気、不安、差別の負のスパイラル」を断ち切らなければ!と強く思っているのです。

www.jrc.or.jp

ほんさき

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