小石の眼から見た景色 あらかた50主婦のあったこと録

その辺に転がっている小石のあれこれ体験録です。

届かぬ「夢」を見つめる眼差し~「空飛ぶ広報室」と「アポロ13号」

ずっと描き続けた「夢」が潰えたところから、物語は始まる。

「空飛ぶ広報室」あらすじ

テレビドラマ放送は、2013年4月~6月。原作は有川浩さんの「空飛ぶ広報室」。 (以下、少しネタバレあり。)

www.tbs.co.jp

主人公は、幼い頃航空祭で見たブルーインパルスに憧れ、ずっとブルーに乗ることを夢見てきた、航空自衛隊の戦闘機のパイロット、空井大祐。

念願かない、ブルーのパイロットとして異動が決まった矢先、交通事故に巻き込まれ、
大けがを負った彼は、かけがえのないその夢を失ってしまう。

もう一人の主人公は、テレビ局の女性報道記者を目指し、バリバリ仕事をしていたハズが、不本意な異動で情報番組のディレクターとなった、稲葉リカ。

パイロットとしての資格すら失い、航空自衛隊の広報室にて勤務することとなった空井と、情報番組で航空自衛隊を取材することになったリカ。

憧れていた、なりたかったものになれなかった二人が出会い、物語がスタートする。

二人が、「壁にぶつかった者同士」として、「その後をどう生きるか」
互いの頑張りを意識しながら、励みにしながら、進んでいく物語。

 

リカ役の新垣結衣さんは、あんなに可愛らしいのに、始めの頃は、それはもう見事にニクタラシイ。
空井(綾野剛さん)に、ついつい肩入れしてしまって、リカにムカつくのなんのって!!
これはもう、新垣さんが素晴らしいのだ、きっと。

空井の上司、鷺坂室長(柴田恭兵さん)が、楽しく明るくあたたかく、そして間違いなくこのドラマのキーパーソン。
「あぶない刑事」の頃は、舘ひろし派だったけれど、この柴田恭兵さん最高。

 二人を見守る広報室の先輩方や、自衛官の面々、リカの上司も魅力的。
航空自衛隊協力とあって、映像も迫力あって美しい。

原作を読んでいたので「ドラマを好きになれるかな?」と思っていたけれど、 原作もイイけど、ドラマもイイ!
ドラマで表現すると、より伝わるモノもあるのだな。

☆「空飛ぶ広報室」 Paraviで見ています。↓

www.paravi.jp 

「アポロ13号」のワンシーンを思い出す

広報官となった空井は、立場上、外部対応のため、幾度となく基地へ足を運ぶことになる。

嫌でも、乗っていた戦闘機を目にし、パイロットとして過ごしていた日々を思い、
夢を失った現実を突きつけられる。

第1話では、ブルーに乗れることになった彼を心から祝福してくれていた、パイロット仲間も直視できずにいた空井。

前を向いて進むうちに、少しずつ、少しずつ、その眼差しは変化していく。

何度目にしても、その度心が痛まないハズはなく、
その眼差しを見る度に、こちらがもらい泣きしてしまうのだけど。

 

第10話で、ブルーインパルスのいる松島基地(宮城県)に出向くことになった空井。扉の前に立つ彼を見ながら、私は思わず心の中で叫んでしまった。

「あぁ、空井さん!その扉を開けたら、見えてしまう!」
もう決して届かない『夢』が。

扉を開けたシーンから、画面は涙でぼやけてしまったのだけど、その時の、彼の「夢」へ向ける眼差しを見た時、
ふと、映画のワンシーンを思い出した。

 

「アポロ13号」 1995年 トム・ハンクス主演

この映画は、1970年に起こった月面探査船アポロ13号爆発事故が基になっている。

月まであと少しの距離に迫った時、爆発事故が発生し絶望的な状況に。
地上の管制センターと力を合わせ地球へ生還し、後に「輝かしい失敗(successful failure)」と呼ばれた。

 

いつ、何故、誰と見に行ったか忘れたけれど、映画館で私は、あるシーンで涙が止まらなかった。
他の観客がすすり泣く、ラストの感動シーンではないワンシーン。

それは、目標を「月面着陸」から「地球への生還」に切り替え、間近にせまっていた月から離れる時、
窓の外に見える月を、主人公のベテラン宇宙飛行士ジム(トム・ハンクス) が見つめるシーン。 

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CRE8BOXさんによる写真ACからの写真

ずっと夢見てきた、あと少しで叶うハズだった「夢」を見つめる眼差し。

ここまできたのに、そこにあるのに、手を伸ばせば届きそうなのに、もう決して届かない夢が、ゆっくりと視界に広がるシーン。 

その眼差しのあたたかさ

第10話で、ブルーインパルスの飛行を見つめる空井の眼差しはあたたかい。

叶うところだった夢、自分に何の非もない不運で奪われた夢。

ともすれば、怒りや悔しさや、嫉妬がうずまき、 目を背けてもおかしくないところ、
彼は素直に、その美しさを愛おしそうに見つめる。

 

自分は時に、自分の努力不足で届かなかった時にさえ、イソップの「酸っぱい葡萄」のように
その夢を「望むに値するものではなかった」かのように言ってみたり、

なぜ憧れていたのかも忘れて、辛い思いをさせられたモノとして、その夢に背を向けたりするけれど。

 

地球に生還し、月を眺めるジムの眼差しもまた、あたたかい。

彼らのように、届かなくてもなお、愛おしいと思い続けられるのは、
掴もうと努力してきた日々と、
叶わなかった 「その後」、精一杯前を向いて生きる日々があるからなのかなと思う。 

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カバ キチさんによる写真ACからの写真 

 

原作も是非!

ほんさき

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