小石の眼から見た景色 あらかた50主婦のあったこと録

その辺に転がっている小石のあれこれ体験録です。

あふれる情報や意見から傷つかずに学ぶために~受け取る側が気をつけたいこと

若い頃は「鉄の女」だの「鋼のメンタル」だの「心臓に毛が生えている」だの言われていた。

そんな私のハートだって、ところどころはガラスで出来ていたりもするんだけどな。
特に、息子たちのこととなるとさ。なんて密かに思う。
(約4,000字と、長くなってしまいました。)

「発達障害の原因?」という記事にツッコミをいれてみる

 まあ、今でも確かに「基本は毛の生えているハート」なので、目についた「はぁ?」って記事にツッコミを入れてみる。

 ジャーナリストの青沼陽一郎氏の以下の記事。
【前半】↓↓↓

weekly-economist.mainichi.jp

 【後半】↓↓↓

weekly-economist.mainichi.jp

要すると、
発達障害の増加の原因を探るうち、発達障害は環境に原因があることがわかってきた。
それは、「胎児期と幼児期の睡眠」「母体のビタミンD不足」 である。
のだそうである。

説明がそれらしく並べ立ててあり、もっともらしいような気もするけれど、「いやいや、ちょっと待って!」と言いたくなる。

前半なんて、100歩譲ってビタミンDが大切だとして、不足しているのは「母親が『美白志向』のせい」ってなんだ?

後半も「保育園がうるさすぎる」ので「普通の子どもも、発達障害のようになる」なんてことも書かれている。
文中は「自閉症」と書いてみたり、「発達障害」と書いてみたり。

睡眠や体内時計が大切とか、挙げられている個々のことは否定しないけれど、
そことそこは「原因と結果」みたいに書いていいのか?と、
なんというか、書き方が妙に引っかかる。 

しかも、ここに登場する「小西行郎」という医師は、2019年9月に他界されている。

本人に「発表する文章を見せて承諾してもらう」ことができない状況で、
「先生の持論」とか言って発表するやり方には疑問を感じる。

言われた個々の言葉が「先生の言葉」だったとしても、好きにつなぎ合わせて自分の書きたい内容に沿うよう編集して書いているように思う。

 まあ、正直「なんだこの人!?」と思ったのは、青沼陽一郎氏が以下のような記事も書いているから。 ↓↓↓ 

dot.asahi.com

 要すると、
農地1平方キロメートル当たり何トンの農薬が使われているかを、数か国比較したデータと、
「自閉症、広汎性発達障害の国別の有病率」と見比べると
日本(と韓国)が抜きんでて、どちらも多い。

だから、農薬が発達障害の原因と疑われる。
のだそうである。

 う~ん。「発達障害が増加しているので、遺伝要因ではなく環境要因と考えられる」と言いつつ、
農薬の使用量の増加と発達障害の発生増加を比較していない。

「洗っても落ちない残留農薬」とか言ってるけど、農薬は収穫時の残留分を考えて、散布時期決まっているのだけどな。

農薬が危険ではないとは言わないけれど、なんかこの煽る感じの書き方が引っかかる。

様々な意見や情報にいちいち傷つく

私は、基本的に他人の書くものを批判しないようにしているつもり。
「???」と思う記事でも意見でも、あえて批判は書かず、スルーする。

私が「??」と思ったというだけで、誰が何言っても主張は自由だ。 
では、なぜ今回こんなことを書いているかと言うと、
もし、発達凸凹の長男の育児真っ只中の私が、先述の記事を読んだら、
ハートのガラス部分が傷ついただろうなと思うから。

長男に発達の凸凹があるとわかってから、自分を責める気持ちは、心の中に常にある。

情報を探し、深夜にパソコンとにらめっこしていたあの頃、
もしこんな記事を目にしていたら、どれだけ苦しかっただろうかと思う。

毎日毎日徒歩通勤して日光浴びていたのに、ビタミンDはもっと必要だった?
あの頃、暑くて寝苦しかった時、寝不足だったのかもしれない。
何とかして、もっと寝なきゃいけなかったのに。

野菜も無農薬にしなきゃいけなかったのか。
保育園に預けて働く選択が間違っていたのか?
妊娠中ギリギリまで働いていたせいだろうか?
認知症病棟の皆さんのざわめきの中で、勤務続けたのがいけなかったのか?と。

 

長男が保育園に通いだした頃、
ヘルプ要員で来られていた年配の保育士さんに、お迎え時に言われたことがある。

「長男くんの言葉がなかなか出ないのは、家でお母さんの話しかけが足りないんだと思いますよ。
もっと、家で長男くんとお話してください。」

その時、私のハートのガラス部分は粉々になって、帰り道にボロボロ涙がこぼれた。

保育園行き帰り、毎日各15分、いつも手をつないで歩きながら、空やお花や虫やお友達や車のことなど、色んなことを話しかけていた。

食事の時も、お風呂も、テレビを見ている時も話しかけながら一緒に見た。
毎晩、5冊読み聞かせもしていた。
それでも、言葉はなかなか出なかった。

私のせいなのだ。私の努力は、まだ足りないのだ。
もっともっと頑張らないといけないんだ。と。

目にする情報、あらゆる親切なご意見に、私はいちいち傷ついて自分を責めていた。
それはそれは苦しかった。  

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傷つかずに学ぶために受け取る側が気をつけたいこと

今は、私が子育てしていた頃より、遥かに多くの情報があふれている。
信ぴょう性の高いものから、うわさ話程度のことまで、まことしやかに「記事」になっていたりする。

そして、それらの情報をかいつまんで、ご親切に意見してくれる人たちもいる。

主張は自由だし、決してなくならないからこそ、傷つくことなく、むしろ「自分の学びに変えてやる」くらいの気持ちで自衛したほうがいいと、私は思う。

情報に振り回されて、さんざん凹んで復活してきた私が思う「気をつけたいこと」は
「自分のことだ!と捉えないこと」と、「情報を冷静に判断する力をつけること」。 

例えば、先述した私のように、すぐに自分に結びつけて
あぁ、私がコレコレだったせいだ!あぁ、だから私はそうだったんだ!と思わずに、

一旦冷静に、これは一事例、一つの説と捉えるようにしてみると、傷つき具合が少し減る。

 そして、情報を冷静に判断する方法の一つとして、私は「タイトルに「?」がつく説はざくっと読めばいい」と思っている。 

「一つの説」として「目の粗いザル」に通すくらいでスルーする。

例えば、先述のジャーナリストの記事二つも、ザルに通して残るのは
「ビタミンDは不足しない方がいい」「睡眠が大切」「母体も子どもも生活リズムが大切」くらい。

このザルに残ったものを、せっかくなので学びとして頭の片隅に置いておけばいい。

 

あの記事を書いたジャーナリストは、「発達障害」を検索ヒットしやすいキーワードとして利用しているだけで、
この部分を「少子化」に変えても、きっと同じような文章を書くことができるんじゃないかなと思う。 

当事者や家族の苦悩などより、自分の文章がいかに人の興味を引くかが大切な、文章を書いて売る商売をしている人だ。

いちいち真に受けて、自分のことと捉えて、傷つくなんて無駄なこと。

 

記事の内容が気になったら、使われている人や文章そのものを自分で確かめてみるのもイイと思う。

先記事に使われていた、小西行郎医師の著書を探してみると、著書の紹介文が以下のようだった。 

発達障害の子どもが増えているのは、大人の「子どもを見る目」が大きく変化したからというのが、先生の思いのようだ。

「発達障害の子どもを理解する」小西行郎著
発売日: 2011年11月22日

近年、発達障害と診断される子どもが急増している。
その原因は、子ども自身にあるのではない。
少子化など社会変化のなかで、大人の「子どもを見る目」が大きく変化したのである。
それは「生きにくくさせられている子どもの増加」でもあった。

本書は、発達障害をめぐる様々な混乱を取りのぞくために、最新の科学的知見をもちいて、子どもの発達を胎児期にさかのぼって検証し、
発達障害児が〈子ども集団〉のなかで自ら活き活きと育つことの重要性を提案した一冊である。

(引用:楽天BOOK商品紹介)

また、学会発表では、「社会性の障害」は2次的なものと考えられると言われている。

「生体機能リズムの発達と自閉症」 第11回 日本小児耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

https://www.jstage.jst.go.jp/article/shonijibi/37/3/37_231/_pdf

 

そして、ご本人のインタビュー記事もあった。 

www.milcare.co.jp

いずれにせよ育児支援にかかわる方々も増えています。
それは必ずしも育児不安を軽減する方向へ向かわず、むしろ悪化させる方向にいっているのではないかと思うようになってきました。

つまり、親子の自然な関係が、マニュアル化された育児情報の氾濫によって壊され、結局「正しい方法は何?」という混乱がお母さん方に起こっているのかもしれません。 

(引用:“育児”に崩壊の危機感我が子に寄り添う子育てを)
※赤字は、ほんさきによるものです。

 育児情報の氾濫が育児不安を悪化させることを心配されている。

情報の氾濫は防ぎようがない。
子どものこととなると、ハートはガラスになる親は、きっと多いと思う。

受ける側が気をつけて、「利用してやる」くらいの気持ちで、心臓に毛を生やすくらいでいた方がいいと私は思う。

★★★ おことわり ★★★

発達凸凹・グレーゾーンの特性やその程度は、非常に個人差があります。ここで書いていることは、あくまでも私の息子の事例にすぎないという点を、ご理解くださいますようお願いいたします。 

★★★  ★★★  ★★★ 

ほんさき 

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