小石の眼から見た景色 あらかた50主婦のあったこと録

その辺に転がっている小石のあれこれ体験録です。

パッチワークを作るように生きる~選んで縫い合わせた全部が「本当の自分」

パッチワークに憧れて、張り切って「ユー〇ャン」のキット一式を買ったことがある。

けれど、キット一式揃っていても、不器用でお裁縫が苦手(苦痛)なことが、劇的に改善するハズもなく、
キット一式の箱は、しばらく押入れの奥に陣取っていた。

パッチワークには、そんな苦い(?)思い出と、大切な思い出がある。

本当の自分はダメな人 

幼い頃から「変わった子」だった私も、中高生ともなると、それなりに対人関係をこなしていた。
おまけに、当時はまだ「優等生」の殻も被っていた。

あらゆる場面で、
こんな時、何と言うべきか、何と答えてほしいと思われているか、
物語では、テレビドラマでは、お手本のあの人は、こんな時どんな振る舞いをするか。

嫌われないように、好かれるように、正解を考えて、上手く立ち回っていたつもりだったけれど、
そうすればするほど、私は自分に自信を無くしていった。 

今、あの人にかけて喜んでもらった言葉は、あの小説の彼が言った言葉だし、
あの時の、あの立派そうに見える振る舞いは、大好きなR子の真似

褒められるのは、好かれるのは、私の心の中から湧き出たものではない。
いつも「誰かの何か」で自分を飾っている。
私には「オリジナリティー」がない。

そして、きっと自分の思うままに動き喋ったなら、嫌われてしまうだろう。
「本当の自分」はきっとイヤなダメな人だ。

褒められても、喜ばれても、
好かれているのは、私が引用した「誰か」の言葉や気持ちであり、私ではない。 

胸の内に密かに隠した黒い気持ち、
「メンドクサイな」 だったり、「嫉妬」だったりが存在する自分が、
「ダメな人」なのは自分が一番よくわかる。

優等生のフリをしながら、自分の足元が無いような、不安定な気持ちで過ごしていた。 

パッチワークのようなモノ 

その頃は、女友達3人で「交換日記」をしていた。

学校の宿題はサボっても、交換日記は夢中で書いていた。
他2人の日記への気持ちも、「それ、考えてどうなるんだ?」ということも。

病みそうなグダグダに付き合わせてしまって、申し訳なかったけれど、2人とも真剣に返事を書いてくれていた。 

ある時、私は、交換日記に書いた。

「皆の前にいる自分は、『本当の自分』じゃないと思う。
私は、いつも『誰かの何か』で自分を飾っているだけで、ちっともイイ人じゃない。」
  

その時、1人が書いてくれた返事は、情けないけれど妬ましいほどに、衝撃的だった。

「そうやって、ほんさきさんが他の人の良いところを取り入れるのは、イイことだと思う。
パッチワークのようなモノだと思えばいいよ。」 

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好きな生地を選んで、縫い合わせて形づくるモノ。

生地それぞれは違うけれど、合わせて一つの美しい作品になる、
パッチワークのようなモノ。

彼女の言葉は、ストンと腑に落ちて、それからずっと私の心の中にある。 

選んで縫い合わせた全部が「本当の自分」

本やドラマのレビューを見ると、人によって心に残る場面が違うのだな~と改めて思う。

「こんな時、こんな風に考えられる人になりたいな。」
「 今はできていないけれど、いつかこんな時に優しく微笑める人になりたいな。」
というように、憧れ、目指したいと思う対象も、人それぞれ違う。

何を「良し」とし、自分に取り入れたいと「何を選んだか」
個々の言葉や態度は「誰かの何か」でも、その選択の数々は、選ぶ人それぞれの個性になるのだなと思う。

若い頃は「本当の自分」がどこかにいるのだと思っていた。
誰かの真似をして身につけた飾りを取り払った、しょーもない自分が。

その「本当の自分」は、いつまでも変われず、ダメなままのような気がしていた。

けれど、好きな生地を少しずつ集めて、縫い合わせたパッチワークのように、
どの生地を選ぶか、どう縫い合わせるか、選択のひとつひとつで結果がまるで変わるように、

選んで縫い合わせた全部が「本当の自分」そのものなのかなと、今は思っている。

 

時々、美しい生地そのもののような人にも出会う。
生まれながらに、どうしたらこんなイイ人なんだろうなんて、
自分が情けなくなって凹んでしまう時もある。

「この人は、美しい糸を丹念に織り、優美な布が作り上げられたみたいだ」
なんて、本当のことはわからないのに、つい思ってしまう時もある。 

そんな、いつまでたっても自信が持てない私は、もっと好きな自分になりたいと、
今でも日々「いいな」と感じた「誰かの何か」を真似している。

仕事中の接客も、子どもと話す時も、ブログで立派そうな言葉を並べる時も。
記事そのものを盗んではいけないけれど、影響されて近いテーマで書きたくなったりもする。 

お裁縫は大の苦手分野だけれど、
好きなモノを縫い合わせながら自分を作り続けることが、私が生きるということなのかなと、
味のある作品になるといいなと、
ちょっとカッコつけて思ったりしている。

ほんさき

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