小石の眼から見た景色 あらかた50主婦のあったこと録

その辺に転がっている小石のあれこれ体験録です。

読書感想文が苦手だった理由~「持つべき感想」を強いられる気がしていた

小中学校の頃の私は、変わった子だったけれど、学校のお勉強はできる、いわゆる「良い子」。

作文を書けば、大抵地域の入賞者を集めた文集に掲載されたし、
読書は大好きで「学校も家のお手伝いもなく、1日中本を読めたら素敵だな~」なんて思っていたほど。

それなのに、私は「読書感想文」という宿題が大の苦手でした。

評価基準がわからないものが苦手 

 私は「良い子」というのは「大人の望むように答える子」なのだと思っていました。
つまりは、本心は何とも可愛げのない子ども。 

例えば、小学校低学年の頃、遠足に行った先の動物園でテレビの取材なんか受けたら、
内心「暑いし、臭いし・・」と思っていても、きっと

「ゾウさんが大きくてビックリしました。楽しかったです。」
なんて、目をキラキラさせて答えただろうな~と思うのです。

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そんな私にとって、「読書感想文」は、その評価基準がわからなくて困惑する宿題でした。 

物語を正しく読み、説明することが正解かと思っていたら、それは「あらすじ」になるのでバツ。
この本がイイこと書いてあるとか、面白かっただけでは、単に「本の紹介」になるのでバツ。

では、一体何を、どんな風に書けば正解なのかしらん?

私は悩んだ挙句、こんな風に捉えることにしたのでした。

指定図書(大抵あんまり好みじゃない)を読んで、多分「大人の望むような感想」を持ったと書くべきなんだろうな。
つまり「この本を読んだら、こう思いなさい。」と、持つべき感想までセットで指定されているんだろうな。

読書感想文を書かせるのは「ちゃんと、指定された通りの感想を持った」ことを、確認するためのものなんだろうな、きっと。 

上手な人の感想文を参考にしながら、
「時々文中のセリフを引用する」とか、「自分の体験をからめる」とか、
工夫は色々したけれど、何しろ思ってもないことを書くので筆は一向に進まなかったのでした。

「持つべき感想」を強いられる気がした

 私が子どもの頃の指定図書は、宿題が夏休みに出される関係もあり、「戦争の悲惨さ」や「平和の大切さ」に関するものが多かったと思います。

平和教育に熱心だった家庭に育ったので、正直「おなかいっぱい」な気持ちもあったのです。

「辛くて暗い話は、もう見たくない」とか、「もっと、楽しい本を読みたい」とか、
不謹慎と言われるだろうと思ったから言わなかったけれど、正直思っていました。 

兵隊に行くお父さんが、おにぎりをねだる幼い娘にコスモスを渡すお話も、
「小さい子がぐずるのヤなんだよな~」なんて、ちらりと思い、

「あぁ、こう思ったら、とんでもなく怒られるんだろうな~」と口をつぐむ。

例えば、平和教育に熱心だった家庭で、
「ブルーインパルスってキレイだな」と言えなかったように。  

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読書感想文を書くということは、「こう思え」と教育されるものなのかと思っていたのです。

目標に向かって頑張る主人公の話を読ませ
「私も、夢に向かって頑張ろうと思いました。」

差別に苦しんだ人の話を読ませ
「人を差別するのは悪いことだと思いました。」

「そんなことを思ってはならない」「こんな風に感じなければならない」
決められた本を読み「持つべき感想」を強いられる気がする。
なんて、変に難しいことを思ったりしていたのでした。 

信頼できなければ感想なんてさらけ出せない

先生も親も、私に「好きに書いていい」と、よく言っていたのですが、
私はちっとも信用していませんでした。

そう言って私の内面を探り、もし大人の常識に当てはまらないことを書くと、さも「危険思想」を発見したかのように大騒ぎするに違いない。

「正しい考え方」、「正しい道」へ軌道修正しようとする。
そのために、私が持った感想は、意にそぐわなければ全否定される。

自分の本当の感想を書いていいなんて、とても信じられない。 

教師に注意を受けている生徒

「アンクルトムの小屋」を読めば、きっと「差別はいけないことだ」と学ぶべきなのだろうけれど、

なぜ体力的に強そうな黒人が、よわよわっちい白人の奴隷になってしまったのか、
どんな経緯でそんなことが起こったのか?にも興味が沸いてしまう。

「小公女」を読んで、「どんな状況でもキレイな心で素直に生きよう」なんて思うべきなんだろうけれど、

私も、どこかの誰か(お金持ち)が
「私が本当の家族です。あなたを探していました。会いたかった( ;∀;)」
なんて現れないかな~なんて思ってしまった。

信頼できない相手に、そんな自分の本当の感想なんて、内側なんてさらけ出せません。 

どんな感想を持ってもイイのなら

大人になった今、コンクールがあるわけでも、成績がつくわけでもなく、
読書感想文を書く必要がないのだけれど、

読んだ本や、見たドラマの感想をブログに書くのは、結構楽しいのです。

何のためでもなく、誰のためでもなく、評価も気にせず、思ったコトを
それでも若干こわごわ(公表はするのでね)書くのは楽しい。

どんな感想を持ってもイイのなら、意外と書けるものなんじゃないかと思うのです。

子どもの頃は、評価され、褒められてなんぼだったので、
思うべきことを思ったかのように書き、苦手になったけれど。

「どんな感想を抱いたか」その思ったコトの中身ではなく、
自分の感じたことを、自分の言葉を使って表現することが読書感想文なのかなと、
本当に今ごろですが、気が付いて、密かにぼちぼち楽しんでいます。

今週のお題「読書感想文」

ほんさき

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