夫は臨場感たっぷりに話す。身振り手振り添えで。
私は、結論をバンと言ってから、ちょこっと説明する。時と場合と内容によるけれど。
私は、大抵、夫の話が盛り上がっている最中に、
「『結局何を伝えたいか』を先に言ってくれない(怒)!?」
と、水を差してしまう。
そして、前々からわかってはいたけれど、このサービス精神旺盛な話術は、義両親から夫へ受け継がれたもの。
つまり、義両親の話は長い。
「タイガー&ドラゴン」落語青春グラフィティ
懐かしいドラマ「タイガー&ドラゴン」を見ている途中。
これは、民放公式テレビポータル「TVer(ティーバー)」の言葉をお借りすると「落語青春グラフィティ」
2005年にスペシャルドラマから、連続ドラマへつながった、当時話題のこのドラマ、
リアルタイムでは見られなかったので、ちょっと嬉しい。
「笑い」と縁のなかったヤクザ「山崎虎児」が、落語家の「林屋亭どん兵衛」の高座を聞いて感動し、弟子入りする。
毎回テーマとなる噺があり、虎児たちに起きるできごとを織り交ぜ、ひとつの「新しい噺」に仕上がる。1話完結のコメディ。
※2005年当時のまま配信されているので、若干暴力的だったり、よろしくない表現もあるかもしれませんが。
落語は、詳しくはないけれど好きだし、主演の二人(長瀬智也、岡田准一)も好きだし、
(「あら、こんなところに星野源Σ(・ω・ノ)ノ!」なんて驚きも。)
テンポも良く、ボチボチと楽しんでいるのだけど、
この、ヤクザの虎児、「冗談が通じないし、話が面白くない」という設定。
面白い話を聞いても「つまり、こういうことだろ」と、アッサリし過ぎて、盛り上がらないのなんのって。
その様子を見ながら、ふと
「ん?つまり、私も『話が面白くない人』なのかも???」
話の筋より話している「時間」を楽しむ
寄席のシーンでは、常連さんが
「おっ今日は『芝浜』だね。」なんて言っている。
そう言えば、落語の「話の筋」自体は、さほど詳しくない私でもいくつか知っている。
落語が、どんな展開か、どんなオチなのかさえわかっていても楽しめるのは、
噺家さんそれぞれの個性、持つワザによって、いくつもの世界が広がるからかもしれない。
話の筋より、噺家が作り出す「時と間」を楽しむものなんだな~
そして、それは、話の筋は十分わかっている、好きな本やドラマを私が繰り返すのと、似ているかもしれないな~なんて、
ヤクザの虎児と一緒になって、しみじみ納得していたのだった。
そして、ふと
「ん?つまり、臨場感たっぷりの夫や義両親は『話が面白い人』なの???」
☆☆☆そう言えば、噺家の技を目で見るのも落語の楽しみの一つではあるけれど、「CDで聞く」のも結構楽しいです。
目まい持ちの私は、テレビやスマホ画面を見るのが辛い時がしばしば。
目まいでよく寝込んでいた頃には、耳だけで楽しい落語CDに、ちょこちょこお世話になっていたのでした。☆☆☆
義両親の長話はキリもなければオチもない
コロナ禍でも、近所にいる身としては、年末年始に義両親をほっとくわけにもいかない。
近くに息子夫婦(私達)がいるとはいえ、義両親は老夫婦2人暮らし。
普段から会話に飢えているのか、息子夫婦の顔を見ると、お互い我先にと話をし始める。
これが、まぁ、二人して臨場感たっぷりだけど、落語みたいなワザはないので、
時間軸がぐちゃぐちゃなうえに、誰が誰やら、何が何やら。
☆☆☆☆☆
義父:先月、N田さん(ご近所さん)があの道を歩いてたら、
K山さん家からの帰り道だったか、いや、行きだったかねぇ・・
義母:T川さん家じゃなかった?えーーと・・
(もう、そこはどうでもいいのでは??)
義父:そしたらヘビが前をニョロニョロと、こう、スススッと・・・
(臨場感はその辺で結構です(;'∀'))
義母:N田さんはヘビが嫌いなもんで、N田さんの奥さんが・・あ、奥さんはクモが嫌いで、
この間なんて、公民館でクモ見たらキャーって私に飛びついてきて、(ヘビはどうしたのでしょう)
その時、腰がちょっとグキッてなったんだけど、この辺ね、こうグキッて(臨場感はその辺で・・)
この間の病院行きの時に(いつなのだ??)、先生に聞いたのよ。
あのほら、風邪かなって思ったのもあって、ついでにね聞こうかなって思ってて、
先生はホラ、いつも先に言ってって言うから、
義父:前に鼻水出るって言ったら受付の人がそう言ったんだよ。
(腰はどうなりました?)
義母:風邪かなって思ったのは、この間寒い時に、おとうさん(義父)が窓掃除って言うから…。
大体、おとうさんは、私はもっと暖かい時に掃除って言ったのに・・・。
☆☆☆☆☆
どこまでいっても、キリもなければオチもない。
しかし、タイガー&ドラゴンを見て、
もしかすると、あれは「会話していること、その時間」を楽しんでいるのかもしれない。なんて思って、
話の筋や、わかりやすさにばっかりこだわらず、
家族と話をしている時は「話している時間」そのものを楽しまなくちゃ!
「で、結局何が言いたいんでぃ?」なんて思わないよう努めよう!なんて思ったのに、
その後もちょこちょこ顔を出す度、話す度、やっぱり結論が気になって、会話をしていること自体楽しめと言われても、なかなか忍耐が要る。
それにしても、結局、義母の腰や風邪の具合はどうだったのか?
いや、それよりも、そもそもの
「N田さんが遭遇したヘビ」は何だったのだ!?
落語なら、とっくに饅頭を「怖い怖い」って言いながら食べて、
「今度は渋いお茶が怖い」なんて、オチがついてるのに┐(´д`)┌ヤレヤレ
ほんさき
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