コロナで世間が一変してしまった、この1年。
実生活では、そこまで大きな変化を感じていません。
夫婦とも「在宅勤務」は不可能な仕事。
もともと外食もお出かけも少なかったので、休日のステイホームもいつものこと。
高校生がしばらく休校だったことと、
少しでも体調に変化があれば休まなければならないこと、
大学生がオンライン授業らしいことと、
気楽に帰省させられなくなって、不安が常に頭の中にあることは、大きな変化ではありますが。
生活は変わらずとも、気持ちの面では変化を感じています。
「世間」を身近に感じた1年
どことなく、自分は世間から外れていると思ってきました。
流行りには全く乗れないし、何となく、全てにおいて「王道」から外れているような。
世間を引っ張る人々は、自分とはかけ離れた人たち。
自分の生活には、あまり縁がない。
私は私で地道に生きていればいいと、考えていたように思います。
そして、この1年。
最初の頃は、マスクは買えなくなり、トイレットペーパーまで買えなくなる時期もありましたね。
自分がいくら情報に流されずにいようと思っても、慌てる多勢を前に、
「たまたまティッシュペーパーの在庫が切れただけなのに・・」と呆然としたこともありました。
近頃、飲食店の閉店を目にするようになりました。
ショッピングモール内の店舗も、閉鎖後次の店舗が決まらず、空きが増えてきています。
街が少しずつ色あせていくように感じています。
ニュースを見ても、倒産が増え、失業率が上がり、じわりじわりと不安が広がります。
「自分だけは真面目に生きていれば、それでいい」なんてことはなく、
否が応でも、世間の中で影響を受けて生きている一人なのだと、
この年にして、今更ですが、しみじみ感じているのです。
さだまさし「道化師のソネット」
唐突ですが、子どもの頃から、さだまさしさんの歌が好きでした。
正確には、兄たちが聞いているのを「門前の小僧習わぬ経を読む」状態で好きになったのですが。
小学生の頃、学校の体育館を使用して映画鑑賞会がありました。
さださんが主演の「翔べ イカロスの翼」
小学生の頃、いろいろと抱えていた私は、映画の中の優しいさだ兄さんに心惹かれ、
その分ラストが衝撃で、呆然として家路についたのでした。
映画の主人公はサーカスのピエロ。
そして主題歌が「道化師のソネット」です。
♪ 笑ってよ君のために。笑ってよ僕のために。
と歌うサビの部分は、耳にされた人も多いのではないかな?と思います。
そう言えば、社会人になったばかりの頃、ふとこの歌を思い出し、サビ以外の歌詞にじんわりと癒されたのでした。
同じ時代を生きる仲間のよう
歌の中で、生きていくことを表す言葉が、小学生の頃でさえしっくりわかる気がしていたのですが、
大人になってから思い出して、しみじみ。(青太字は歌詞引用しています。)
自分達は、「舟人たちのよう」。
「哀しみという荷物を積んで」いる「小さな舟」で
「時の流れを下ってゆく」のだと。
そして、また、自分たちは「山びと達のよう」。
「別々の山を」「息もつがずに登ってゆく」
「目指す」のは「それぞれの高さ」だと。
※ 歌詞全文はこちら↓↓↓
さだまさし 道化師のソネット 歌詞 - 歌ネット
自分だけの力で歩いているつもりでも、時の流れを下っているとも言える。
抗えないものも、どうしたってある。
誰かと比べたところで、みなそれぞれ、別々の山を登っている。
しかも、目指す高さは人それぞれ。
誰の方が楽だとか、もっと高みを目指せ!だとかじゃない。
それぞれ一生懸命自分の山を登っている、いわば山仲間みたいなものかもしれない、
なんて気持ちになります。
社会人になったばかりの頃、都会の人だらけの中だからこそ、かえって一人ぼっちを感じていた時、
この歌詞を思い出し、じんわりと癒されたのでした。
「きっと誰もが同じ河のほとりを歩いている」
そうか。ここにいる人みんな、同じ時代を生きているんだな。
同じ「時の流れを下って」 いるんだな、と。
そして、最近、
自分は、あまり関わっていないと思っていた世間は、コロナ騒ぎでぐっと身近に感じるようになり、
自分の行動と世間も、世間の動きと自分も、実は関わりあっているとしみじみ思い、
誰だかはわからないけれど、同じ時代を生きている人を、
変化の大きい、大変な時代を共に乗り切ろうとしている仲間のように感じてさえいます。
自分にできることは何だろうかと考えながら、
「いつか真実(ほんとう)に笑いながら話せる日がくるから 」
この歌詞のような日が、少しでも早く訪れますようにと思っているのです。
お題「#この1年の変化 」
ほんさき
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