今記事は重い話になります。
気の進まない方は、次回、また是非ご訪問くださいね。
ハートの健康のためにも「辛いニュースにばかり目を奪われないようにしよう」と思っているのだけれど、イヤなニュースが目に付く。
小学1年生の女の子は、小学校初めての夏休みに、実の兄に殴り殺されたのだという。
「ネグレクトの親が悪い」とか、「兄はヤングケアラー?」とか、
兄も可哀想といった風の意見もあるけれど、
この女の子は、約100カ所の皮下出血の痕があり、内臓の一部が破裂していたのだそうだ。
自分の境遇が辛いからといって、「つい暴力をふるってしまった」なんて範疇を超えている。
私は、ただひたすらに亡くなった女の子が不憫で、
どれほど怖くて、痛くて、苦しかっただろうと、彼女の日々を思い胸が塞がる。
家庭という狭い檻の中で、
兄の気分次第で発せられるの暴言に息を潜め、
何をされるかわからない夜に怯え、
兄の部屋の前を、捕まらないようにそっと、素早く通り過ぎる。
そんな毎日を思い出してしまって、50過ぎたおばさんになっても胃が縮まる思いがする。
きっと世間一般では、家族は、兄弟姉妹は愛し合い、仲良く暮らしているのだろう。
そんな泣けるドラマがわんさかあるし、「鬼滅の刃」だって、なんとも美しい兄妹愛だ。
そう、兄は妹を慈しみ守り、
妹は兄を慕い、庇護のもとにありつつも兄を健気に守る。
普通はそうなんだろう。
この女の子の家庭や、私の兄妹が異常なんだろう。
そうなのだけど、悲しいことに、異常はゼロではなく間違いなく存在している。
それなのに、まるで存在していないかのように、
兄弟姉妹だから、単に「血がつながっている」からというだけで、
愛情物語の中に生きていると思われてしまう。
「血がつながっている」というだけで愛情が育まれる。
なんてことないのに、
絶対的な信頼を寄せている人の多いことに驚く。
実兄に殺された女の子も、
「『血がつながっている』だけの3人を一緒にすれば、仲良し家族が出来上がる」
なんて妄想を信じている大人たちによって檻に閉じ込められた。
幼ければSOSを訴えるという知識も、チャンスも存在しない。
そして、もしSOSを出せても、理解も共感も得られず、
被害者なのに、まるで自分が相手を傷つけているかのように言われたりもする。
ごく稀だと信じたいけれど、
私と同じように、実の兄からの性暴力をうけた人間も存在している。
私は、「兄妹の愛情なんてみんな疑え」などと言いたい訳じゃない。
では、私は、何故こんなことを、反吐が出る思いをしながら書くのだろうかと、自問もしている。
私は、ただ、こんなこともあるのだと知ってほしい。
ゼロではない、無ではないのだと。
「血のつながり」なんて、理不尽だったりもするのだと。
妹はあんな目にあってきたのに、今でも思い出して虫唾が走るのに、
当事者の実兄は、家庭を築き、1人の社会人としてのうのうと生きている。
多分。知らんけど。
縁を切ってしまいたいのに、親族間で何かあれば、縁が繋がってしまう。
兄弟姉妹の縁を切る方法は、現在の日本にはないのだそうだ。
両親が他界した時も、介護を弟妹に押し付け、看取りもせず、葬儀にも来なかったのに、
遺産相続となれば、切り離すことができない。
家族との関わりから逃げ、煩わしい手続きを全て妹に押し付けても、
「血のつながった兄」だから、親にしてみれば「子」だから、
「遺産は相続できる。ちゃんと分けてあげなさい。」
なんて、家庭裁判所の真面目そうな調停委員のじいさん初老の紳士に言われたりもする。
別にさ、取り分が減るとかの問題じゃない。(そりゃ多い方が嬉しいけれど)
お兄さんもストレスがあったのでしょう。だの、
過ぎたことは許し合い、きょうだい仲良く。だの、
美し気な言葉ばかり並べられて、
納得できない私が、また悪いように言われてしまう。
母も助けるどころか、娘に言っていた。
「兄の言うことに従いなさい。」
「家の中のことを他人に話してはダメ。」
そして、何よりもムカつくことに、きょうだいは顔が似ていたりする。
毎日自分の顔を鏡で見ては、忘れたい人間を、忘れたい頃を思い出させられる。
ただ、ただ、
兄が関わること全て、私にとっては雨のように理不尽が降ってくる。
「血のつながり」という理不尽が。
私は、ただただ、ぐっと顔をあげて歯を食いしばる。
なんかさ、人生が上手くいかないとか言って、電車で包丁振り回した男のニュースもあった。
理不尽なんてね、雨みたいに、誰にだって降ってんだよ。
雨降るたんびに、皆暴れたりしてるかよ!!っつーの。
自分でやろうと思えば何とかできる大人が何やってんだよ。
「理不尽だ!」って叫んでいいのは、「血のつながり」に命を奪われたあの女の子だよ。
私は、ニュースに向かって、シラフで一人でクダをまく。
ほんさき
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