ちょっとしたモノも、処分するタイミングに悩みます。
貧乏性なので、決定的に「壊れる」とか「破ける」とかしない限り
なかなか処分を決意できない。
そんな心情も手伝って、妙に物持ちが良いのです。
鍋もフライパンも、あのコップもお皿も、独身時代から使い続けているチープなモノが、
バリバリ現役だったりします(夫より付き合いが長い)。
こんなに長く使うのなら、最初にある程度イイモノを買っておけばよかったのかな?
なんて、毎度毎度思ってしまう。
毎日のようにコーヒーカップを置くコースターも然り。
布製の、ホームセンターでふと目に留まって気軽に買ったモノを、
洗濯を繰り返し、何年も使い続けていました。
多分、色あせたり、新しいモノを見つけたりして、
ある程度のサイクルで更新するものなのでしょうが、
情も移ってしまい、ついつい。
そんな長い付き合いのコースターに、派手にシミをつけてしまい、
先日、ついに更新を決意。
台所の引き出しを覗いて、懐かしいものを引っ張り出しました。
それは、10年前に購入した「大槌刺し子」のコースター。
2011年3月11日の東日本大震災で被災した、岩手県大槌町の避難所で生まれた
「大槌復興刺し子プロジェクト」の商品です。
【大槌刺し子について~私たちの歩み】
避難所では、男性には瓦礫撤去などの仕事が山積みの一方、女性たちは家事をするための場所もありません。
仕事に出ようにも車も、職場もありません。
働き者の大槌の女性たちの生活は、一変してしまったのです。
そんななか、「何かをしたい」という思いからたどり着いたのが、避難所という限られたスペースで、針と糸、そして布さえあればできる「刺し子」の制作でした。
避難所で一日中横になっていたおばあちゃんも。仕事を失ったお母さんも。働き盛りの若い女性も。
復興への願いを込めて、ひと針ずつ刺していく。
2011年6月、大槌町発、一歩を踏み出した女性たちによるプロジェクトが始まりました。
(引用:大槌復興刺し子プロジェクトホームページ)
あの春、長男は小学校卒業。
使用済みのランドセルの寄付を募る話を聞いて、磨いて委ねたくらいで、
遠く離れた地で、他には募金するくらいしかできずにいました。
ある時、このプロジェクトに関わりのある職員から、職場の皆に呼びかけがあり、
何か役に立てるならと、思わず飛びついたのでした。
しなやかで、優しい色柄のコースターが届きました。
(貼りつけた写真とは違うモノです)
ただ募金するよりも、商品を買うという形で応援する方が、なんだか性に合う気がして、
それから、生協で「被災地応援」の企画がある度に、少額ですが購入しています。
コースター、マグネット、キーホルダー、ランチョンマット、一筆箋、
最近は、モノが増え過ぎるので、できるだけ食品で。
家の中あちこちで、そうして購入したモノを使ってきたのですが、
初代のコースターは、引き出しに仕舞ったままにしていました。
それは、被災した方々が、まさしく避難所の一角で作られたモノ。
遠くで、のうのうとしているような気がして、
コップの下敷きにするのが申し訳ない様な気持ちになって、
引き出しの肥やしにして、早10年が過ぎました。
結構物持ちの良い私。
このままでは、私はこのコースターを使わないままになってしまうかもしれない。
モノは、使ってこそ意味があるのではないかな?
使わない方が、申し訳ないのではないかな?
10年経ち、改めて手に取ると、そんな気持ちになり、
思い切って取り出して、今この記事を書いているパソコンの横に。
私は、これからも変わらず、ほんの少しずつだけど応援の気持ちを込めてモノを買い、
これからは、「申し訳ない」ではなく感謝を込めて、大切に使いたいと思っています。
はてなブログ10周年特別お題「10年で変わったこと・変わらなかったこと」
ほんさき
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