小石の眼から見た景色 あらかた50主婦のあったこと録

その辺に転がっている小石のあれこれ体験録です。

10年前のコースターを使い始める~大槌刺し子

ちょっとしたモノも、処分するタイミングに悩みます。

貧乏性なので、決定的に「壊れる」とか「破ける」とかしない限り
なかなか処分を決意できない。

そんな心情も手伝って、妙に物持ちが良いのです。

鍋もフライパンも、あのコップもお皿も、独身時代から使い続けているチープなモノが、
バリバリ現役だったりします(夫より付き合いが長い)。

こんなに長く使うのなら、最初にある程度イイモノを買っておけばよかったのかな?
なんて、毎度毎度思ってしまう。

毎日のようにコーヒーカップを置くコースターも然り。

布製の、ホームセンターでふと目に留まって気軽に買ったモノを、
洗濯を繰り返し、何年も使い続けていました。

多分、色あせたり、新しいモノを見つけたりして、
ある程度のサイクルで更新するものなのでしょうが、
情も移ってしまい、ついつい。


そんな長い付き合いのコースターに、派手にシミをつけてしまい、
先日、ついに更新を決意。

台所の引き出しを覗いて、懐かしいものを引っ張り出しました。

それは、10年前に購入した「大槌刺し子」のコースター。

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「大槌復興刺し子プロジェクト」オンラインストアより画像お借りしました

2011年3月11日の東日本大震災で被災した、岩手県大槌町の避難所で生まれた
「大槌復興刺し子プロジェクト」の商品です。

【大槌刺し子について~私たちの歩み】

避難所では、男性には瓦礫撤去などの仕事が山積みの一方、女性たちは家事をするための場所もありません。

仕事に出ようにも車も、職場もありません。

働き者の大槌の女性たちの生活は、一変してしまったのです。

そんななか、「何かをしたい」という思いからたどり着いたのが、避難所という限られたスペースで、針と糸、そして布さえあればできる「刺し子」の制作でした。

避難所で一日中横になっていたおばあちゃんも。仕事を失ったお母さんも。働き盛りの若い女性も。

復興への願いを込めて、ひと針ずつ刺していく。

2011年6月、大槌町発、一歩を踏み出した女性たちによるプロジェクトが始まりました。

(引用:大槌復興刺し子プロジェクトホームページ)

sashiko.jp

あの春、長男は小学校卒業。
使用済みのランドセルの寄付を募る話を聞いて、磨いて委ねたくらいで、

遠く離れた地で、他には募金するくらいしかできずにいました。


ある時、このプロジェクトに関わりのある職員から、職場の皆に呼びかけがあり、
何か役に立てるならと、思わず飛びついたのでした。

しなやかで、優しい色柄のコースターが届きました。
(貼りつけた写真とは違うモノです)

 

ただ募金するよりも、商品を買うという形で応援する方が、なんだか性に合う気がして、
それから、生協で「被災地応援」の企画がある度に、少額ですが購入しています。

コースター、マグネット、キーホルダー、ランチョンマット、一筆箋、
最近は、モノが増え過ぎるので、できるだけ食品で。


家の中あちこちで、そうして購入したモノを使ってきたのですが、
初代のコースターは、引き出しに仕舞ったままにしていました。

それは、被災した方々が、まさしく避難所の一角で作られたモノ。

遠くで、のうのうとしているような気がして、
コップの下敷きにするのが申し訳ない様な気持ちになって、

引き出しの肥やしにして、早10年が過ぎました。


結構物持ちの良い私。
このままでは、私はこのコースターを使わないままになってしまうかもしれない。

モノは、使ってこそ意味があるのではないかな?
使わない方が、申し訳ないのではないかな?

10年経ち、改めて手に取ると、そんな気持ちになり、
思い切って取り出して、今この記事を書いているパソコンの横に。

私は、これからも変わらず、ほんの少しずつだけど応援の気持ちを込めてモノを買い、

これからは、「申し訳ない」ではなく感謝を込めて、大切に使いたいと思っています。

はてなブログ10周年特別お題「10年で変わったこと・変わらなかったこと

ほんさき

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