義母がヘソクリを紛失したことをきっかけに、認知症を疑い、
年明けには「もの忘れ外来」を受診しました。
結果は、「認知症と年相応の境界(ボーダーライン)」。
特に治療の必要もなく、経過観察。
しばらくは「いつも通りだし、年相応なのかな?」と見えたのですが、
それは「いつもの生活」だったからなのです。
「いつもの生活」では問題なし?
結局、モノを度々失くしてしまう問題は未解決のまま、
ヘソクリ捜索も難航し、色々と棚上げのまま日々が過ぎていきました。
毎週末様子を見にいきますが、家事もこなしているし、
相変わらず夫婦ゲンカしながらも、そこまで困った様子も見られません。
八方美人タイプでお喋り好きな義母が機嫌よく話すので、
「認知症じゃないのに、そんな病院に連れて行って、かわいそうよ。」
なんて、こちらは親戚から言われてしまう始末。((´;ω;`)ウゥゥ)
ただ、しばらくアレコレ話をしていると、会話の端々に「アレ???」と感じるおかしな部分が出てきます。
もの忘れ外来で、自分のMRI画像を見せてもらったことを忘れていたり、
孫たちの年齢や学年(今春社会人になるとか)がズレていたり、
「それは、先月じゃなくて、3年前の話ですが…」ってことがあったり。
しかし、そこは八方美人タイプの義母、経験にモノを言わせ、
「会話を上手いこと取り繕える」のです。
「え?それ3年前ですが…」と間違いを指摘されると
「あぁ、そうそう、そうよ。それでね…」とサラリと話題を変えてかわす。
「な~んか、わからなくなってきたわね~」と思いつつも、
「うん、そうそう…」とわかってる風の笑顔で相槌。
話も盛り上がるし、同じ話2度目でも、
(「大切なコトなので2度言いました」なのかな?)と思わせる話術。
いつもの生活では、もの忘れがあっても、
「まぁ、たいしたことないのかな?」と感じていたのです。
「非日常」で認知症が露呈する
もの忘れ外来受診から2か月ほど過ぎた頃、義父が検査などもろもろのため
しばらく入院することになりました。
義母に「非日常」が訪れたのです。
入院前の準備、入院中の洗濯物などのやりとり(コロナ感染予防で面会不可)、
独りでの生活、検査結果の説明、退院調整…。
おまけに「コロナワクチン3回目接種のご案内」までも届き、
接種予約もしなければ!!
そんな「新しいコト」オンパレードの中、義母は大混乱に陥ってしまいました。
夫や義兄も一緒に病院へ行き、義母に連れ添い、
対策を何度も話し合い、説明もしたのですが…。
準備の荷物を考えられず、準備できない
どうして義父が入院したかわからず「知らなかった」と言う
着替えを毎回余分に届ける(夫が後日持ち帰る)
義父から入院費用を預かった記憶がない(Σ(゚д゚lll)ガーン)
急に「今日帰ってきてしまう」と騒ぐ(我が家に電話)…
次回、いつ、何の着替えを持っていくのかメモを書いても違う枚数。
毎日電話して「明日は病院行かない日ですよ」と言っても突撃。
「お薬忘れず飲んでますか?」と聞くと、
「あぁ、そうそう、うんうん。それでね…」とはぐらかす。
(飲んでないんですね!!)
「たいしたことない」と思っていた、夫も義兄も、そして私も呆然。
ここまで新しいコトに対応できないとは!
これが長く続くとエライコトだーー!と思っていたところ、無事に義父が退院し、
「いつもの生活」が戻ってきました。
そんな様子を目の当たりにしていない義父は、
「おかあさん、そんなにオカシイか???」なんて言うのですよ。
ええ、それはもう、どえらく大変でしたーーー!
ヘソクリは闇の中
そう言えば、ヘソクリ捜索している時「タンスの中が散らかっているな~」と感じてはいたのです。
数年前までは、義母はいつもキレイに整えている人でした。
もの忘れ外来の先生が言われていました。
「認知症の方は、わからないことがあると、取り繕ったり、誤魔化したりすることが多いです。」
高齢者二人の生活は変化が乏しく、「いつもの生活」が続いていました。
義母と話しても、明るくて会話が弾むし、短時間では気付かなかっただけで、
実は、もっと前から認知症の症状が現れていたのかもしれません。
そうであれば、もの忘れ外来での家族からの聞き取り(あまり変わった様子はない)は、
情報としては不足していたのかも。
わからなかったり、覚えられなかったりすることを誤魔化しながら、取り繕いながら、
義母はずっと不安な気持ちで過ごしてきたのかもしれません。
これから、もう少し気をつけて見守っていかなければと、
夫も義兄も、私も思い知らされました。
ところで、義父が入院ということは、
ヘソクリの捜索ができるじゃないか!!
「せっかくと言っては申し訳ないですけど、これはヘソクリを探すチャンスですね!」
義母に言ったのですが、キョトンとした顔。
「ヘソクリを…、失くした???あぁ、うんうん。
ほら、泥棒とかも怖いわよね~。それでね…」
お義母さん?もしかして、もしかすると、「『ヘソクリ』がありません」どころか
「失くした覚え」もありません なのですかーー?」
失くしていないものを探すわけにもいかず、義母のヘソクリは闇の中なのでした。
ほんさき
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