小石の眼から見た景色 あらかた50主婦のあったこと録

その辺に転がっている小石のあれこれ体験録です。

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姉の歳に追いつく寂しさ~遺品と言う名のおさがりと「古着deワクチン」

「妹に生まれるって、不公平だな」なんて、子どもの頃思っていた。
(もちろん、上には上の「不公平だな」があるんですよね。)

一つ違いの姉は、仮に年齢が同じでも、かないっこない素敵な人。

せめて一つくらい、頑張れば追いつけるものがあるだろうとジタバタして、
それでも、どうしても年齢だけは追いつけない。

いつも私が年下だということが、不公平な気がしていた。

 

姉の一周忌が終わった。
そして、私は姉の歳に追いついてしまった。

まさか、こんなことなら、不公平のままで良かったのに。

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姉は、何でも器用にこなし、いつも優しく明るく楽しい人。
賢くて、華やかで、美しい人。

そして私は、道端の雑草のよう。
(まあ、それはそれで味があってイイと思っています。)


棺の中で花に囲まれ、目を閉じている姉は、最後まで美しかった。

私は、突然の出来事に呆然としながら、悲しみと悔しさを胸に抱えて、
それでも本当に雑草みたいに、しぶとく生き続けている。

↑↑↑ 写真は、大好きな雑草のひとつ「オオイヌノフグリ」。
もう少しかわいい名前を付けてほしかったなぁ。

 

葬儀の後、姉の家を片付け、遺品の数々を整理していた。
オシャレだった姉の服が、クローゼットいっぱいに遺されている。

背格好だけは似ている私は、多分、問題なく着ることができると思われた。

兄や兄嫁たちは、口々に言ってくれた。
「サイズはピッタリそうだし、せっかくだから貰ったらいいよ。」


けれど、結局、私はどれにも袖を通さなかった。

それは、遺品と言う名のおさがり。
子どもの頃のことが思い出される。

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姉は古着でもオシャレに着こなしていた。

姉が着ていると、何でも素敵に見えて、
私はいつも羨望の眼差しを向けながら、こう思っていた。

「早く、姉が着られなくなって、私のモノにならないかな~。」

それなのに、姉の背が伸び、私に回ってきたソレは、
どういうわけか、不思議と野暮ったくてカッコ悪い。

フリルの付いたスカートも、
袖の膨らんだブラウスも、
小花を散らしたワンピースも。

 

姉のクローゼットのおさがりの数々は、私の日常ではなかなか纏わない、
美しさと華やかさだった。

服の合う合わないは、身体のサイズの問題だけではないのだ。

そして、それより、何よりも、私は自分の中にあの気持ちが潜んでいるのではないかと怯えた。

「早く私のモノにならないかな。」



あの日、駆けつけた病室で、姉は人工呼吸器につながれていた。

瞳孔は動かず、昇圧剤を限界まで投与し、
延命治療で生かされている状態だと医師は話していた。

「次に、再び心停止した時には、もう心臓マッサージを行わない。」

その判断を、最初に駆けつけた私が了解した。

姉のおさがりを貰ってしまったら、何だか、望んでいたみたいじゃないか。
喜んでいるみたいじゃないか。

そんなことあるわけないのに、それでも、どうしても。

 

「古着deワクチン」という取組みを知って、役立ててもらうことにした。

とても受け取れない、けれど捨てられもしない姉の遺品が、
誰かの役に立つのならば、ありがたいと思って。

大きな紙袋が届いた。
詰め込んで、持てないほどのサイズになった荷物を集荷してもらった。

それは、5人の子ども達のポリオワクチンになるハズ。
もしかすると、命をつなぐ一助になるかもしれない。

furugidevaccine.etsl.jp

私は、姉の歳に追いつき、やがてきっと追い越してしまう。
不思議で、そして寂しいものだなと思う。

ほんさき

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