認知症と年相応の境界(ボーダーライン)の状態の義母。
義父の入院をきっかけに、認知症が悪化したような言動が、しばしばみられました。
義母の様子を家族で注意深くみていると、おかしな言動の原因は、
水分不足や低栄養である可能性も考えられました。
★★★ おことわり ★★★
我が家のイチ体験談であり、様々なケースの中の一事例であることをご了解の上、ご覧ください。
遠隔で食事や水分を摂ってもらうのは難しい
義父が入院中1人暮らし状態の義母。
水分不足や栄養不足が疑われてからは特に、
義兄も夫も、できる限り気を配るようにしていました。
食材が尽きないよう、買い物に付き添い、
「ちゃんとご飯食べた?」「水分摂らないと!」と、口を酸っぱくしてことある毎に言うものの、
自由を満喫(ヾ(*´∀`*)ノ)している義母は、
「うんうん、大丈夫」「ちゃんと食べた」などと言うばかり。
しかし、冷蔵庫の食材は、あまり減っていないような…。
何気なく話題をふると、「食欲なくて…」とか「めんどくさい」と、
バナナやパン、ヨーグルトなどで適当に済ませてしまうことが多い様子です。
水分も「ちゃんと飲んでいる」と言うものの、食後にお茶を飲む習慣もない義母。
起きてすぐと10時と3時のお茶の時以外、何か水分を摂っているのかしら??
と、心配になります。
そもそも、目安としてどの程度の水分が必要なのか?
前記事でもご紹介した記事によると、800mlほどのよう(食事は除きます)。
↓こちらは「飲ませ過ぎ」を心配する記事ですが…。
高齢者は口渇を感じにくいので、自から進んで水分を摂ろうとはしません。
そのため、周囲が水分を勧めることが必要です。
しかし、問題はその量です。高齢者の1日の水分必要量は体重50kgの人は1500~2000ml (30~40ml/kg)です。
この数字は食事の中の水分も含んでいます。食事の中の水分量は1日約1000ml/日なので、食事以外の水分摂取量は1日800 ml ぐらいが望ましいことになります。
(引用:北海道中央労災病院HP 「認知症と水分補給-水をたくさん飲むと認知症が治る??」)
食事も適当に済ませては、水分不足にもなりそう。
それならばと、フリーズドライの味噌汁を何種類か持っていくのですが、
「大事にしまい込んで忘れてしまう」なんてこともしばしば…。
「温めだけ」「焼くだけ」と言った商品も似たような扱いです。
「なんとなく体調が悪い」と言って、食事も抜いてしまうことがある義母。
しかも、その報告はいつも事後。
(そのうえ、記憶があいまいになってきたので、それがいつだったのかわからない…。)
遠隔で食事や水分を摂ってもらうことは、非常に難しい。
しかも、本人は「大丈夫」「迷惑はかけたくない」と言うばかり。
新たに「慣れる」ことは難しい
困った私たち、ひらめきました!
それならば、食事を抜きたくなる時のために、
「簡単に栄養補給できて、水分も補給できるモノ」
を常備しておけばいいんじゃない??
最近、いろいろな商品があるじゃない!
冷蔵庫に入れると、取り出せなくなる(何かがギュウギュウ詰め)ので、常温保存できて、
残ったものの保存が不安なので、食べ切りの少量(1食分)サイズで、
そのまま、開けてすぐ食べられるモノ。
ウィダーとか、朝バナナとか
1個にバナナ2本分のエネルギー、1食分のビタミン5種類、ヨーグルト100gのカルシウム入り。
朝食を抜いてしまうくらいなら、これだけでもいいのではないかしら?
さらに、もう少し本格的に「メイバランス」もイイかも。
飽きないように、いくつかの味をそろえて、買っていったのです。
「体調が今一つで食欲なくても、これでもイイから口に入れてくださいね。」
その時は「あら~こんなのがあるのね~。」と面白そうに受け取った義母でしたが…。
後日、「この間、なんか調子悪くって、食べてなくてね~」と言うので、
夫が置いていたソレを見せ、
夫「『そう言う時飲んでね』ってコレ持ってきてたよね。飲んだ?」
義母「あら、今はこんなのがあるのね~。」
飲む習慣のない「ゼリー飲料」。
そばで誰かが提供できるなら良い商品なのですが、
「そう言えば、あれがあったわ」と思いつき、
自ら飲むことは、義母にはハードルが高かったのです。
そう言えば、数年前。
義母の「らくらくホン」を「らくらくスマホ」に買い替えた時のこと。
それまで、ご近所さんや親戚と、ぎこちないながらもメールなどのやりとりを楽しんでいた義母。
古くなっていたこともありましたが、夫は、
「LINEが使えるようになれば、もっと簡単にコミュニケーションがとれるかも!?」と、
よかれと思って買い替えたのです。
しかし、何度一緒に練習しても、
「電話をとるのも、よくわからない」
LINEも、一緒にいる時に見るのみ、スタンプは理解不能、
「文字入力もわからない」と、逆にメールすらしなくなってしまったのでした。
自分自身もずい分感じていますが、年々新しいコトを取り入れるのが苦痛になってきています。
理解力も落ちてきているし(説明文の文字は小さいし)、
今までの自分の経験や知識では、全く理解できない新しいコトは、なかなか身に付きません。
ましてや「ちょこっと認知症」の義母。
新しいコトを受け入れ、更に「慣れる」までに至るのは、相当難しかったのです。
慣れているモノをいつものペースで
ところで、先述の北海道中央労災病院HPの記事。
認知症が改善するかのように誤解され、高齢者へ水分摂取を「勧めすぎる」ことを心配している記事です。
高齢者に食事の他にそんなにたくさんの水を飲ませると、
心臓に負担がかかり、心不全になります。尿量が増えるためトイレに間に合わず失禁したり、
オムツ交換の回数も増えます。そして、無理に水を飲まされる高齢者のつらさと、
いやがる高齢者に水を飲ませる職員の負担は相当なものです。
そう、前回の記事にも書きましたが、私が以前、認知症病棟に勤務していた頃には、
水分補給で認知症の症状が改善すると言われ、
何とか水分を摂ってもらおうと、半ば無理やりな、強引な「水分のススメ」もありました。
確かに、嫌がられるわ、失禁やオムツ交換は増えるわという状態になっていました。
心配し過ぎて、せっかくのびのびしている義母を見張ってばかりいるのも申し訳ない。
飲む習慣もないものを、無理やり飲ませることもできない。
結局「義母の好きな飲み物を、色々買ってみるのが一番だね」ということになりました。
まずは、甘酒。栄養価も高くて、食欲のない時もよさそうです。
それから、牛乳が苦手なので豆乳をチョイス。
時々、自分で買って飲んでいたようなので、気に入りそうな味を選んでまとめ買い。
常温保存ができ、賞味期限も長いタイプです。
顔を出すついでに、何本かずつ持参して、オヤツの時間に一緒に飲んで、
残り数本を、目につきやすいところに置いておきます。
午前と午後、いつもの自分のペースで飲んでいただくしかない。
結局、しばらくして義父が退院し、二人で気をつけて生活出来るようになったので、
甘酒と豆乳の成果は定かではありません。
さて、先日様子見に伺ったら、
「そう言えば、珍しいのがあるの、飲む?」と、甘酒をいただきました。
あら、かわいい。キティちゃんの絵の「いちご甘酒」
でも、それ、以前私が買ってきた甘酒ですよー!
やはり、飲みなれていないモノは飲まないんですね(;'∀')
ほんさき
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