コロナ騒ぎが始まって以降、推しが出演していてもずっと我慢していた映画館。
しかし、今回の映画はぜひとも観たい!
というわけで、久々に映画を観てきました。
横浜流星さん主演の映画「線は、僕を描く」。
「原作の小説がよかった」という理由もありつつ、やはり足を運ぶ原動力は横浜流星さん。
しかし、映画が始まるとすぐに、推しを見に来たことを忘れて見入っていました。
※できるだけネタバレしないように気を付けますが、まっさらな気持ちで映画を楽しみたい方は、また次の機会にご訪問ください。
映画「線は、僕を描く」あらすじ
大学生の青山霜介(そうすけ:横浜流星)が、ある日たまたま引き受けたアルバイトは、水墨画の展示設営。
そこで見かけた一つの作品に、霜介は強く心を動かされます。
その展示会場で、水墨画の巨匠・篠田湖山(こざん:三浦友和)に何故か声をかけられ、霜介は水墨画を学び始めることに。
戸惑いながらも、その世界に魅了されていく霜介。
水墨画を通して出会う人々や、友人との関わり、そして描くことを通して、
霜介は自身の抱える深い悲しみと向き合い、前を向き始めます。
原作は、2020年本屋大賞第三位に選出された
砥上裕將さんの小説「線は、僕を描く」。
強く優しく静かで熱い、各々の瞳の美しさ
映画で印象に残ったのは、水墨画の美しさに加えて、登場する人々の瞳の美しさ。
深い悲しみを抱え、柔和に微笑みながらも瞳に宿す光が弱い霜介。
彼が、心を動かされた絵を見つめる眼差しや、
水墨画に触れ、嬉々として線を引く瞳の輝き、
独り静かに苦しみ、迷い悩む光のない瞳を経て、
ラストシーン、今まさに描こうとする1枚の紙に、そして多分人生にも、
真っすぐに向き合おうと決意した強く熱い瞳へと変わっていくのです。
霜介だけではなく、1枚の紙を前に、真剣勝負に切り替わった絵師の瞳、
自分の表現に迷い悩み、描こうとするものを見つめる若い瞳、
巨匠の、後進を育む厳しくも優しい眼差し、
各々の瞳が、自然で透明感があり、セリフよりも多くを表現していたように感じます。
そして、主演の横浜流星さんや、清原果耶さんが素晴らしかったのは勿論なのですが、
脇を固める皆さんも素敵でした。
特に、原作を読んだ時は少々苦手なタイプかなと感じていた、霜介の友人の古前(細田佳央太)。
映画の方が、よりよく彼を表現できているのではないかと思ってしまいました。
(原作より表現できているって、なんか変ですけど。)
古前の服装で時間の流れを感じたし、
私には、彼のセリフがたまらなく心に沁みました。
さらに、何といっても湖山の一番弟子である西濱湖峰(こほう:江口洋介)!
原作を読んだ時からイイと思っていましたけれど、江口洋介さん、ぴったり。
そして、この静かな(悪く言えば盛り上がりが少ない)映画で、最も盛り上がったんじゃないかってシーンで
江口さん、全て持っていきました。(かっこよかったーー!)
登場する人が、基本的に皆いい人。
ドラマチックな展開は少なく感じるかもしれません。
(原作よりも、辛さはよりドラマチックに表現されているように感じましたが)
でも、実は、私たちの日々は結構そうなのでは?と思うのです。
すっごくヤな奴とか、おっそろしいほどできる天才とかそんなにいないし、
劇的な出来事が次々起こるなんてことは、そうそうはない。
恋人に突然不治の病が見つかるとか、やってみたら一回ですごい才能発揮とか、
実はそんなにない。
それでも、日々小さな喪失や再生を繰り返して、結構誰もが一生懸命生きている。
そんなことを感じた、静かで、明るい気持ちになる映画でした。
原作と少し違ってこれ(映画)もイイ
実は、初めて主題歌を聞いた時、少し違和感を感じたのです。
(主題歌はyamaさんの「くびったけ」)
私が小説を読んだ時に描いた静かなイメージからは、かけ離れているような?
しかし、映画を観終わり、エンディングに「くびったけ」を聞きながら納得もしていました。
comment
・・・過去と向き合い、前へ歩み始めた映画の主人公を「大丈夫!」と力強く抱きしめる気持ちで歌いました。応援歌のような楽曲です。
(引用:主題歌|映画『線は、僕を描く』公式サイト )
映画は、原作とは少し違う物語。
登場人物の性別すら違っている場面もあります。
原作の熱烈なファンの方からは「原作と、ココやアレが違う」といった声もあるかもしれません。
しかし、私は、原作と少し違ってこれ(映画)もイイと思いました。
原作を読んだ時に、私が主題と感じたものをバックボーンにしつつ
「青春映画」として焦点を当てた作品になっていると感じるのです。
美しい絵画を見て「ここが現物と違う」なんて言わないですよね。
寸分たがわないものを見たいなら、絵ではなく写真を見ればいい。
そもそも世界はモノクロじゃないけれど、水墨画は白と黒で全てを描く。
表現はイコールじゃなくていいんですよね、きっと。
表現を変えても主題を変えない。
その方が、より血の通った実写化だと思うのです。
とはいえ、映画とは違う視点の作品も見てみたい「線は、僕を描く」。
ドラマチック要素が控えめなので難しいのだろうけれど、是非ドラマなどでじっくり観てみたいな~なんて思っています。
恋愛要素が入ってこないところが、これまた非常に良かったです。
男と女だからといって、関係は恋愛だけじゃないですよね。
映画予告↓↓↓(予告の歌はyamaさんの「Lost」)
私は、映画館のスクリーンで観てよかったと思いました。
皆さんも、是非、映画館で!
ほんさき
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