ここ数年、親族の遺産相続手続きのため、金融機関窓口へ出向く機会がしばしばありました。
相続での揉め事は、その額の多少とはあまり関係ありません。
なかなかに、時間と労力を費やし、精神的にもしんどいものでした。
窓口では大体どこでも、相続後のお金の使い道を聞かれ、資産運用を勧められました。
その金額の大小はさておき、期せずして得たありがたい臨時収入。
どうしたものか迷いに迷い「そうだ、歯医者行こう!」
と思い立った話です。
相続手続き時に窓口でつかまる
遺産分割について中心的に動いていたため、
『まとまった額を一旦私が預かり、他の親族へ振り込む』
といった作業をすることもありました。
相続人の数が多く、一旦自分の口座に預かる金額が、自分の通帳史上印字されたことのない(きっと今後もない)額になったりします。
地方銀行でも郵便局でも、手続き中にこやかに話しかけられます。
「差し支えなければ・・こちらはご相続かなにか・・・?」
「答えたくありません。」「あなたには関係ありませんよね。」
とは、ちょっと言いにくい雰囲気なのですよ。
何しろ、今まで扱ったことのない額を動かして、なかなかに興奮状態というか、平常心を失っている状態。
加えて、悪いことをしている訳では全くないのに、ビクビクもしています。
「これ、怪しい振込とかじゃないんです!」と言いたい気分。
「はい、父が亡くなりまして・・・」と言い訳のように答えてしまうのです。
「手続きの間、少しお話させていただけませんか?」と笑顔で言われ、
そのまま窓口でしっかりつかまってしまいました。
ある程度まとまった額だが、具体的な使い道は?
今、普通預金に入れていても利子はほとんどつかないし、インフレで貨幣価値が下がる。
資産運用は考えているか?NISAは?保険は?・・・
親御さんが残された大切なお金ですから・・・
ガンガン攻めてきます。
いや、その、そもそもこれ全部が私のではないんです。親族に分けるんです!
えぇと、少し前からネット証券で「つみたてNISA」を始めていまして・・
あの、その、子どもの進学先も決まっていませんので、教育資金に・・
保険はこれ以上入るつもりはないんです・・
我に返ってアタフタ言い訳しながら、
「一旦持ち帰って、考えますね~」と逃げ帰りました。
50代からでは少し遅い?
子どもの頃から、なんとなく抱いてしまっていた投資のイメージはギャンブル。
パチンコや競馬で「一発当てよう!」なんて思うような危ういもの。
何しろ真面目が鼻につくような子どもでしたので、
『額に汗して働くこと』こそが善で
『投資=右から左に動かして楽して稼ぐ=不誠実』、あまりよろしくないと思い込んでいたのです。
そのイメージが抜けきらず、iDeCoもNISAも全く関心を持たずに過ごしてきました。
(そちらに回す余裕もあまりなかったと言えばそうですが)
50代に突入し、夫の職場の『老後資金の勉強会』などの対象にもなり始め、
ようやくiDeCoやらNISAやらのパンフレットとにらめっこ。
本を買い、YouTubeを梯子していると、
「色々手を出し始めるには、50代は少し遅かったか?」という印象を受けます。
「子どもの頃からの金融教育は重要なんだわ」としみじみ感じています。
↓↓↓購入した『お金の大学』わかりやすく、勉強になりました。
「お金の大学」の学長さんのYouTubeもわかりやすくて勉強させてもらっています。
動画のラスト、学長さんが「今日が人生で一番若い日」と言われるのです。
その言葉に励まされ、背中を押され、
「ちょっと遅いけど、今からでもできることを頑張ろう!」と日々思えます。
チャレンジはぼちぼちマイペース。
アレコレ調べながらネット証券口座を開設し、ほんの少額ずつ『つみたてNISA』を始めたのが2年前。
今年は『ふるさと納税』にチャレンジしました。
正直、50代からでは少し遅いと思うこともあります。
しかし、もし何も勉強していなかったら、銀行窓口でお話を聞いてもチンプンカンプンで、
なんとなく必要な気がして「よくわからないけど資産運用しよう。」なんて思ったかもしれません。
自分で決められず、きっとおススメの商品に決めていたでしょう。
(窓口は窓口のメリットがあるでしょうから、一概に悪いわけではありません。
あくまでも私個人的には、リスクがある以上自分なりの考えを持って決めたいと思います。)
少しでも興味関心を持ち、自分で考え、自分で決められただけでも、
色々調べてジタバタした意味があったのかなと思います。
自己投資として歯科受診する
さて、一旦持ち帰り資料に目を通し放置していると、銀行から電話までかかってきてしまいました。
「とにかく、そこまでの額ではないし、浪人生がもし、私立大学に行くことになりでもしたら(゚д゚lll) パァ~〜っとなくなりますから(;´Д`)。
色々決まるまで、このままにしておきます!」
銀行にはそう答えつつ、とりあえず少額だった『つみたてNISA』の積み立て額だけは上げました。
初心者かつ小心者なもので、近頃の株価を見ては青くなったりもしますが、
「長期間投資すれば大抵プラス」と信じ放置します。
ただ、ふと思ったのです。
長期投資でプラスになったとして、そんなに長生きできるのかしら?
長生きできてしまった時、お金がない!では確かに困るのですが、
長生きできなかったり、自分では管理できない事態になったら、長期積み立てした意味がないような気もします。
できるだけ『健康に過ごす時間を長くする』ことも、老後資金を貯めることと同じように重要なんだなと思ったのです。
これ以上あちこち手を出して投資するのではなく、
自己投資といってアレコレやってみるだけでなく、
まずは自分の健康に投資するのはどうだろう?
50代で始めるには、最もリスクが少なく、リターンが大きいのではないのかしら?
防げる病気やケガを防ぐだけでも、身体も資金も元気でいられるのでは?
お金も時間もかかるのでつい後回しにしていたことがあったのです。
それは、歯科受診(痛いし怖いし)。
今までも、払えないわけではなかったけれど、
自分のこととなるとやっぱり「お高いわね」と感じてしまう治療費。
今、その不安はない!これは自己投資よ!
口腔内の衰えは、全身の衰えにつながります。
年々年を取るにつれ、そのケアは重要になります。
「そうだ、歯医者行こう!」と決心がついたのでした。
そして先日、無事治療も終わりました。
これからは定期的に通院して、ちゃんとケアしようと心に決めたところです。
(大抵、治療が終わるとそう思うんですけどね。いやいや今度こそ!)
ほんさき
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